内容説明
ソ連時代に地図に表されなかった秘密都市。そのヴェールの向こう側をさまざまな資料で明らかにする。
目次
第1章 旧「秘密都市」の概要
第2章 原子力関連の10都市
第3章 核ミサイル基地と宇宙部隊
第4章 海軍基地
第5章 その他の閉鎖都市
著者等紹介
片桐俊浩[カタギリトシヒロ]
都留文科大学文学部卒業。2006年、法政大学大学院政治学研究科修了。同年に提出した博士論文『核閉鎖都市の形成と発展 核開発から見たソ連の都市建設』で政治学の博士号を取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yoneyama
14
ソ連時代の原発、核ミサイル、潜水艦基地の開発者だけの出入り禁止都市の一覧表と分布地図。森の中の秘密都市。都市名には近隣の都市名+番号っていうのが冷たい感じで最高だ。アルザマス16は、サロフ修道院が革命で徹底的に破壊された町。秘密都市の多くは強制収容所や捕虜収容所あとだった。辺境ばかりというわけでは無く、中央連邦管区や沿ボルガにもたくさんある。すごいストレス社会だ。映画ライトスタッフで見た星の街はモスクワ州ズヴョードヌィ・ゴロドクって言うのか。2022/12/09
YS-56
5
『秘密都市』謎めいてて良い響きですが、何万人規模の都市活動をおしなべて秘密にするってのはやっぱり無理だよなぁ、と読んで思いました。あとは、西側が(合衆国のU2秘密偵察とかで)どの程度この秘密都市群について把握していたかについての本とかあれば読んでみたいですね。そして、ロシアでは現在も軍事閉鎖小都市としてまだ1000地区以上の位置が公表されない場所があるようです。…『ヤムスク11』あったりしてね?2010/07/19
スカイバニラ
4
旧ソ連の時代に大量破壊兵器の研究開発や軍事機密上の理由により、地図上にも記載されず存在自体も隠された秘密都市。本書は現ロシア政府より自治体(都市)として認められた旧秘密都市について書かれた本です。いろいろと面白い内容ばかりでソ連崩壊後、ラトヴィアの旧秘密都市スクルンダⅠは無人化して2010年のつい最近、町ごとオークションで約3億円で売却されたとか。筆者はモスクワで旧秘密都市出身の方々から出身地の話をいろいろと聞くことが出来たようですが、その内容を読むと秘密化がコスト的に見合う事だったのか…。2010/07/10