内容説明
ドイツという怪物をコーヒーで読み解く。
目次
第1章 アラベスクな風景
第2章 医学と音楽と文学の国
第3章 土地なき民
第4章 黒い原点
第5章 総力戦
第6章 二十世紀の三十年戦争
第7章 アウシュヴィッツのコーヒー
第8章 極東の総力戦と一杯のコーヒー
著者等紹介
臼井隆一郎[ウスイリュウイチロウ]
1946年福島県生まれ。東京教育大学大学院文学研究科修士課程修了。新潟大学教養部助教授を経て、東京大学大学院総合文化研究科教授。現在、東京大学名誉教授。専門は、文化学、ドイツ・ヨーロッパ文化論、言語情報文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
どんぐり
78
植民地コーヒーを欠いたドイツが、いかに世界市場へ踏み出し、コーヒーを求めて漂流していったのか。本書はその道程を、フリードリッヒ大王の内地植民からアウシュヴィッツの惨劇までをたどる。代用コーヒーの執念じみた追求、東アフリカ植民地の労働力不足、IGファルベンの化学技術、そして収容所で囚人に「シャワーの後にはコーヒー」と告げさせた倒錯した心理操作。それらすべてが、コーヒー文明の裏側に潜む“カーフィル化”(貧困と隷属の構造)へと収斂していく。→2026/02/15
はやしま
14
著者の世界史観が纏められた労作。コーヒーは常に前面に出ているわけではなく、欧州と中東地域の関係、欧州諸国(独英)の対外拡張行動ー奴隷制とプランテーション、南米への独の進出ー、交易、対立、その所々にコーヒーがアクセントとして上手く絡められている。書籍名からいきなり第二次大戦とナチスのことが書かれているかと思いきや、古のアラブの話や旧約聖書やヘブライ語などに言及し、そうした事柄や地域が後世に絡められ、上手く構成がなされている。少し違う角度から世界史を眺められるユニークな一冊。2017/04/27
魚京童!
9
アウシュヴィッツはわからなかったが、スーフィズムは良いと思う。ハーフィスとかいいよね。2024/11/09
ののまる
7
ドイツ人はコーヒー中毒。コーヒーがためにアフリカやブラジルの植民地、奴隷の搾取、そしてコーヒーの匂いをたなびかせ、シャワーのあとにコーヒーが飲めると信じて脱いだ服を畳んでガス室にみんな入っていった。2026/02/10
ワッピー
7
コーヒーとドイツを軸に近現代史を展開。植民地と安価な労働力の必要性がもともと出遅れたドイツを駆り立てたこと、そして何をするにも徹底する国民性が代用コーヒーを発展させたというあたりは、前著「コーヒーが廻り、世界史が廻る」でも触れられていましたが、ドイツがヨーロッパで勝ち残るための世界戦略、そして総力戦へなだれ込んでいった経緯が説かれます。コーヒーを生産するには労働力がいることは知っていましたが、この軸と絡めることで、このように苦いものになろうとは・・・コーヒーが飲める自由は尊いと感じます。2017/01/21




