内容説明
ひとつひとつの菓子は、どのような歴史的背景の中で生まれたのか。長崎街道の菓子老舗を訪ねポルトガル現地の菓子を食べ、史料を分析して読み解く“菓子の履歴書”。
目次
プロローグ 長崎街道の遺産としての砂糖と菓子
第1章 「鎖国」体制と菓子文化
第2章 近世長崎の社会と菓子
第3章 近世肥前の社会と菓子
第4章 福岡・佐賀の餅飴文化
第5章 近世・近代の小倉と菓子
第6章 近代産業社会の成立と菓子
第7章 長崎街道周辺の菓子文化
エピローグ マデイラ島から見た「シュガーロード」
著者等紹介
八百啓介[ヤオケイスケ]
北九州市立大学文学部教授・文学博士。1958年福岡県生まれ。1989年九州大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yuka_tetsuya
1
鎖国の江戸時代に、長崎に輸入された砂糖が長崎街道を通って小倉にいたり、大阪や江戸に送られる「シュガーロード」についての歴史を紹介している。ネーミングがすばらしく、興味を引かれる。佐賀に住んでいたときに好んで食べていた丸ぼうろがロードの歴史の中で浮かび上がる。筑豊の銘菓・ひよ子や千鳥饅頭は、炭鉱の悲劇を乗り越えた庶民のたくましい智慧であったことがよく分かった。九州の歴史をシュガーロードの観点から見つめた庶民観点の社会史により、通常の歴史に華が添えられる。2024/01/26
hosakanorihisa
1
日本の砂糖伝播を知りたくて読み始めたが、後半は北九州のお菓子の歴史になってちょっと残念。江戸時代、白砂糖がオランダとの通貨になっていた知見を得られたのはうれしい。2016/07/23
キャド兄さん
0
あとがきに「月刊誌に連載した「北九州の菓子文化」に加筆修正した」とあるように、北九州の話がメインです。日本全国の話を期待していたので少し残念。2018/08/17