出版社内容情報
変数が実数ではなく「複素数」である関数を微分・積分することによって物事を解明する複素解析を、高校生でもわかるよう丁寧に解説。“複素数”とは高校で学ぶものですが、「2乗して-1になる数iを用いてa+biと書ける数」のことです。“i”は虚数単位です。本書のテーマである複素解析とは、一言でいうと、「変数が複素数である関数の、微分法・積分法を扱う数学」のことです。中学・高校で学んだ関数は“実関数”といって、変数xは実数ですが、複素関数の変数zは複素数です。実関数と複素関数には天と地ほどの差があります。本書は、量子力学や電磁気学、流体力学などの理学・工学分野で活躍し、さらに経済学などの社会科学でも広く使われている複素解析を、高校生からでもわかるよう、丁寧に解説していきます。
プロローグ 複素解析を学ぶ前に
第1章 複素数と複素関数
第2章 いろいろな複素関数
第3章 実関数の微分・積分
第4章 複素関数の微分
第5章 複素関数の積分
第6章 複素関数の級数展開
エピローグ 橋渡しの最後に
涌井 良幸[ワクイ ヨシユキ]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
天乃かぐち。
8
凄い本です。2023/09/05
まえぞう
4
実数は直線で表すことができるので、y=f(x)という関数はxy平面上のグラフとして視覚的にとらえることができます。ところが、変数を複素数にすると、複素数自体を視覚的にとらえるためにガウス平面が必要なので、これらの関係を表すには4次元が出てきます。そのためか、肌でわかるという感覚はなかなかもてません。話しが込み入っていて数学者の趣味のようなイメージを持ってしまうんですが、この複素解析が流体力学や電磁気学、さらには量子力学に欠くことができない道具になっていることがなんだか不思議な感じです。2019/03/23
天乃かぐち。
3
平易な一冊。とはいえ指摘された点は数学という宇宙を見渡せる可能性があるものでしょう。2024/06/11