内容説明
吾輩は猫である。名前はまだない―いわずと知れた文豪夏目漱石の小説は、発刊当時まさにセンセーショナルな作品だったにちがいない。なにしろ我々「人間」は滅多なことには他の生物の立場から物事を「観る」ということをしないのだから。それができる唯一の生物種でありながら―。人類誕生の歴史をさかのぼり、人間の生物的特性について考えていゆく。二足歩行と道具、口の形成と言葉、利き手と脳の発達、DNAと子殺し、文字と記憶、寿命と戦争―。生物性がいつしか社会性と深く結びつき、他の生物にとって人間はますます脅威の存在となってゆく。
目次
第1章 人間のはじまり
第2章 道具と生活
第3章 農耕生活
第4章 農耕の大規模工業化
第5章 人権の生物的基礎
第6章 言葉と考えること
第7章 都市・戦争・道具
第8章 他者認識と他者意識
著者等紹介
岩田好宏[イワタヨシヒロ]
1936年、東京生まれ。58年東京教育大学卒(現・筑波大学)、公立高校教諭に就任。96年千葉県立高校を定年退職。立教大学、千葉大学、東京女子医科大学、自由の森学園(中・高校)などで非常勤講師を務める。子どもと自然学会会長、総合人間学会前事務局長、野生生物保全論研究副会長。専門は教育、人間学、植物生態学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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