内容説明
いのちとは、エロス“生の本能/愛”である。解像度の高い言葉に耽溺する、悦びの時間を。川端康成文学賞、萩原朔太郎受賞詩人による“いのち”“肉体”“時”“言葉”にまつわる精選エッセイ集。
目次
恋
球体の子供
雪とはしご
菜の花と麦
火の娘
運ばれていく
犬の匂い
小川小判
黒猫ふわり、心に降りた
重さと軽さ〔ほか〕
著者等紹介
小池昌代[コイケマサヨ]
1959年東京都・深川で生まれる。七~八歳頃、「詩」に出会う。中学の時に初めて物語を執筆。梶井基次郎『檸檬』についての読書感想文が東京都のコンクールに入選、書くことの面白さに目覚める。津田塾大学国際関係学科卒業後、法律雑誌の編集に長くたずさわりながら詩作。1988年第一詩集『水の町から歩きだして』(思潮社)刊行。1989年ラ・メール新人賞受賞。1997年詩集『永遠に来ないバス』(思潮社)刊行、現代詩花椿賞受賞。1999年詩集『もっとも官能的な部屋』(書肆山田)刊行、高見順賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯
22
詩人小池昌代のエッセイ集。言葉の選び方並び方が詩のように印象的。まるで昔から自分も同じように感じていたかのような気持ちになったり、ハッとしたり、生と死を含んでいて官能的でドキリとさせられたりする。2015/04/05
蒼深
7
この方の本を読むのは初めてではないが、このエッセイ集を読んでこれまでうっすらと抱いていた印象が強まった。こわい、というもの。怖い、また、強い。詩人と言うのは月花を愛でどこか夢の中で生きているようなイメージがあったせいかもしれない。この方はとても強く、例えば震災の四日後のエッセイで「生きたいと願いながら、同時にどこかで、ほとんど無意識に、深く一瞬、死にたいと思う。」と書けてしまう。それほど命の根源から物を眺め、書いている。私は読みながら、そのむき出しさにはらはらしてしまい、怖いと感じるのだと思う。2015/04/01
和草(にこぐさ)
5
小池さんのエッセイ。視点と言葉が奥深い。2016/10/06
savasava
3
常に自分に距離を置いて思考し、書いていく。素敵なエッセイでした。何より世間で言われるところの正しさを正しいのか?と常に疑う姿勢に非常に感銘を受けました。作品の中で出て来たベーコンエッグはとても美味しかったです。2014/09/12