内容説明
日本国家の成り立ち、天皇制のかたちに「孟子」はどのように関わっているのか。古代より現代に至る政治思想史を“革命”の視点から読み解く驚異の書!
目次
序章 天皇家にはなぜ姓がないのか
第1話 日本国の成り立ちと『孟子』
第2話 革命のない天皇制国家へ
第3話 『孟子』は日本に入らなかったか?
第4話 国学思想と『孟子』
第5話 吉田松陰の「国体」論
第6話 西郷隆盛の「至誠」
第7話 北一輝の「民主革命」
第8話 近代日本のなかでの教養―新渡戸稲造・福沢諭吉・丸山眞男
第9話 『孟子』は忘却されたか―三島由紀夫・司馬遼太郎・河上徹太郎
著者等紹介
松本健一[マツモトケンイチ]
思想家。麗澤大学教授、東日本国際大学客員教授。1946年群馬県生まれ。東京大学経済学部卒業。主な著書に『近代アジア精神史の試み』(岩波現代文庫、アジア・太平洋賞受賞)、『日本の近代1 開国・維新』(中公文庫、吉田茂賞)、『評伝北一輝 全五巻』(中公文庫、毎日出版文化賞・司馬遼太郎賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Honey
9
副題「天皇家にはなぜ姓がないのか」につられて。 歴史の教科書で名前だけ知っている、みたいな人物のそれぞれの思想の特徴・違いなどが分かって、大変おもしろく読みました。2020/03/18
犬養三千代
7
天皇家に姓がないというのは、掴みに過ぎない。様々なじだいの思想家が孟子をどう捉えたかに主眼がある。明治維新の魁となった吉田松陰が尊皇に至る過程が興味深く内容の濃いものであった。 革命を起こす芽を摘んだのは天武天皇と藤原不比等。 松本健一さんの著作をまた読んでみたい。2018/06/23
takao
1
☆中国の革命は姓が変わることから、革命ないように姓なしにすることを考えついた人がいるとのこと。別の理由ではないのか。2018/09/25
koba23
1
姓とは天皇が与えるものだから、天皇にはないものと思っていたが、実は革命を起こさせないためである、という筆者の主張は当たってるかはよくわからないが新鮮。「孟子」と絡めて説明しているところは一つの説として興味深く読めました。2015/05/03
takataka
1
孟子の革命思想というより、天皇家にはなぜ姓がないのか、という副題に興味を持ち読んでみました。松本氏の推論こそがこの本のタイトルである孟子の革命思想の影響を日本に広げないための仕組みだった、というもの。この制度を作り出したのは天武天皇と藤原不比等ではないのか、という氏の説はエキサイティングです。2015/05/06