内容説明
ノーベル文学賞を受賞したバルガス・リョサの「作家がテーマを決めるのではなく、テーマが作家を決める」という箴言を、小説家として身をもって体現した―著者渾身の文芸評論!
目次
岡本かの子「老妓抄」
深沢七郎「風流夢譚」
芥川龍之介「蜜柑」・梶井基次郎「檸檬」
堀辰雄「聖家族」
山川方夫「海岸公園」
梅崎春生「突堤にて」
金鶴泳「土の悲しみ」
竹西寛子「兵隊宿」
吉行淳之介「娼婦の部屋」
三島由紀夫「愛の渇き」〔ほか〕
著者等紹介
喜多哲正[キタテツマサ]
1937年、熊本県天草生まれ。早稲田大学在学中、学生劇団「自由舞台」で創作劇運動に参画。1960年、労働組合(全海連)の書記として勤務。1970年、劇作家別役実、有馬弘純、等と同人誌「季刊評論」を創刊。1981年同誌に発表した「影の怯え」で第86回芥川賞候補となる。2007年より居住地、逗子市の「楽習塾」で小説講座を開講、同塾生を中心に2010年、同人誌「北斗七星」を創刊、現在まで4号を発行している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鷹図
8
読メで感想を書く時は、基本的に褒め書評を心がけている。あらぬ誤解や厄介事を招かぬよう、多少の不満は飲み込んだり、不問に伏して感想を書いてきた。今だから言うが、例えば『悪童日記』などは、世評ほどの感興はわかなかったし、むしろ違和感しか残らない読書だった(…のだけど、今になって告白するのは卑怯だね)。本書にはその悪童日記の批評も掲載されているが、たかだか3、4ページにすぎない枚数で、私が感じていた彼の書への違和感が的確に論駁されている。うーむ。これからは本書に倣い、是々非々書評で事に当たりたい所存。2013/09/10
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