内容説明
人間消失、アリバイ偽装、密室の謎。名探偵フェン教授が難事件に挑む。「クイーンの定員」にも選ばれたロジカルな謎解き輝く傑作短編集。
著者等紹介
クリスピン,エドマンド[クリスピン,エドマンド] [Crispin,Edmund]
1921‐1978。本名ロバート・ブルース・モンゴメリー。イギリス、バッキンガムシャー州生まれ。オックスフォード大学在学中に書きあげた『金蝿』(44)でデビュー。パブリックスクールで二年ほど教鞭をとったあと、合唱曲や映画音楽の作曲家として活躍した。『永久の別れのために』(51)の刊行以後はミステリの執筆を休止し、評論活動やアンソロジー編纂の仕事に力を入れる。The Glimpses of the Moon(77)でミステリ作家として復帰した直後に急逝
冨田ひろみ[トミタヒロミ]
翻訳&ライター業。埼玉大学教養学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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スパシーバ@日日是決戦
93
B (2013年)<1953年> 「これら16の古典的な短編はあなたの犯罪解明の才能をもテストするだろう。論理と常識を用いた解決に必要なすべての証拠を提示している。あなたはこの挑戦に応じられるだろうか?」。各短編の評価は以下の通り。「◎ エドガー・フォーリーの水難/人生に涙あり/高速発射/すばしこい茶色の狐」「〇 列車に御用心/苦悩するハンブルビー/門にいた人々/三人の親族/小さな部屋/ペンキ缶/喪には黒/窓の名前/金の純度/ここではないどこか/決め手」「△ デットロック」。出版当時まだ32歳だったとは!2016/11/05
藤月はな(灯れ松明の火)
40
『お楽しみの埋葬』などが復刊してクリスピンが多くの方々に読まれることを強く、求む!長編ではコミカルなフェン教授シリーズですが、短編では結構、ビターなんですね。しかし、ノンシリーズものである『デッドロック』はあまりの切ないノスタルジーと苦い真相が相まって泣きそうになりました。2014/04/16
星落秋風五丈原
37
ジャーヴァス・フェンはオックスフォード大学のセント・クリストファーズ・カレッジの英文学の教授。本編には初登場作が掲載されていないため、ここでは既に数々の実績を挙げた探偵として警察へもノーチェックで入れて捜査の現場にも行ける。刑事ではないので、基本はハンブルビ―が持ち込む事件を聞いただけで解決していく安楽椅子探偵タイプ。また、ここも刑事ではない所以だが、必ずしも犯人を捕まえることに重点を置かない。取り扱われる謎は、暗号、密室殺人、アリバイ解読など様々。2015/10/12
本木英朗
25
英国の本格ミステリ作家のひとりである、エドマンド・クリスピンの短編集のひとつである。俺は2014年3月に一度読んでいた。冒頭の「列車に御用心から始まって、最後の「デッドロック」まで、どれもこれも面白かった。特に「バンブルビーの苦悩」や「人生に涙あり」辺りには本当に大満足であった! でも1回目の感想の方がよかったので、みんなそっちを見ようぜ! https://hidmak.hatenadiary.jp/entry/2014/03/30/2300002024/06/26
みっぴー
25
ウィットに富んだミステリ短編集です。日常の「何気ない」を手懸かりに、破片を寄せ集めて理論を組み立てる感じでしょうか。カーファンらしく、半密室ものや、不可能犯罪にもチャレンジしていらっしゃいます。ブラウン神父やサム先生シリーズのようなパンチのきいたトリックは用いず、良い意味で渋い作品集だなぁと思いました。長編、もちろん読ませていただきます!2015/09/02