著者等紹介
イェリネク,エルフリーデ[イェリネク,エルフリーデ][Jelinek,Elfriede]
1946年、オーストリア・シュタイアーマルク州ミュルツツーシュラークに生まれる。ウィーンで育ち、ウィーン大学で演劇学と美術史を専攻。60年代末に作家としてデビュー。ことに小説『したい気分』や『欲望』はベストセラーになり、また『ブルク劇場』や『トーテンアウベルク』『雲。家』『杖、竿、棒』『レストハウス』などの戯曲で、目下ドイツ語圏でもっとも注目を集めている作家である。ベル賞やビュヒナー賞等々に続いて、2004年にはノーベル文学賞受賞
谷川道子[タニガワミチコ]
1946年生まれ。東京外国語大学教授。ブレヒトやミュラー、ピナ・バウシュを中心としたドイツ語圏現代演劇・表象文化が専門(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きゅー
6
高速道路の鄙びたサービスエリアに二人の女性が入ってくる。彼女たちの目的は半時間の浮気を愉しむため。後書きで、モーツァルトのオペラ「コシ・ファン・トゥッテ」のパロディということを知った。それを先に知っていたら、もう少し楽しめたかもしれない。それにしても、私にとっては読んで楽しいという戯曲ではなかった。登場人物同士の会話は上滑りし、独特で普段使われないような比喩がふんだんに盛り込まれる。彼らの背後ではストリップが行われ、ボーイは提供した食事に放尿するなど猥褻な要素がてんこ盛り。ひたすら驚いた一冊。 2015/12/18
イシザル
3
難しい、結局何をテーマにしてるのか?よく解らない。しかし基本がしっかりできているノーベル受賞者の会話劇の部分はテンポのいい漫才を観てるように読めるのはさすが。2019/09/17
ディヴァイン
1
露骨な性を表し、なんだかこれを演じたりできるのだろうか、と思ってしまう。訳者あとがきにはパイマンが演出を手掛けたというから、なるほどと思えた。内容はえげつないセックスを基調としながらも、現代を嘲笑うブラックユーモア調が潜んであり、読む戯曲としてはわたしは大いに楽しめた。2009/05/18
稲葉孝太郎
0
なんだかものすごい作品だった。あらすじは単純で、主婦ふたりが浮気しに行くのだけれど、この浮気が一筋縄ではいかない。全体としてみると、実は討論会なんじゃないか、と思わせる運び。特に最後の対話が意味不明だったのだけれど、巻末の解説を読んで、ああ、と感じた。ハイデッガーから影響を受けてるのね。2016/01/30