出版社内容情報
帝政前期に派遣された都市監督官、地方裁判官、総督といった帝国官僚の実態を、碑文史料・法史料を駆使して包括的に考察。
内容説明
地中海を内海とするローマ帝国の統治基盤は都市であった。皇帝は都市をどのように支配したのか。あるいは、都市は皇帝の支配をどのように受け入れたのか。本書は、碑文史料をもとに、イタリアに派遣された都市監督官・地方裁判官・総督といった帝国官僚の実態に迫り、その都市パトロン的な機能に注目。ローマ帝国の統治構造の特質を明らかにする。
目次
第1章 帝政前期イタリアにおける官僚機構の形成(官僚機構の形成;官僚機構の形成と都市自治)
第2章 都市監督官(curator rei publicae)とイタリア都市(研究史;都市監督官の任務;都市パトロンとしての都市監督官;都市パトロン選任の背景)
第3章 地方裁判官(iuridicus)とイタリア都市(研究史;ハドリアヌス帝期のコンスラレス(consulares)と地方裁判官職の創設
地方裁判官の裁判権
地方裁判官の司法以外の活動
地方裁判官の任用上の特徴)
第4章 三世紀イタリアにおける州制度導入のプロセスについて(研究史;州制度導入のプロセスに関するP.ポレーナの仮説;P・ポレーナの仮説の再検討)
第5章 総督(corrector)とイタリア都市(研究史;州制度導入の目的;州制度導入期の総督・都市関係)
著者等紹介
飯坂晃治[イイサカコウジ]
1974年北海道生まれ。1997年北海道大学文学部史学科卒業。2005年イタリア政府奨学金留学生としてペルージャ大学教養学部に留学。2007年北海道大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学、博士(文学)。現在、北海道大学大学院文学研究科専門研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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