内容説明
明末清初の王朝交代期を生きた陳啓源の主著『毛詩稽古編』三十巻は、清朝詩経学を代表する大著とされる。その所論は以降の学者達に認知され、学界に様々な影響を及ぼすしたが、その背景には不明な点が多い。本書は陳啓源の人物像と『毛詩稽古編』の成立・流布にまつわる諸事情を浮き彫りにしながら彼の詩経学が持ち得た学術性と史的意義を解明する。
目次
第1章 陳啓源『毛詩稽古編』成立とその流布
第2章 『毛詩稽古編』嘉慶刊本の上梓とその影響―費雲倬『毛詩稽古編附攷』の意味するもの
第3章 『毛詩稽古編』と『詩経通義』―両書の成立に関する一考察として
第4章 陳啓源の『詩経』解釈―その方法と後世の評価
第5章 『毛詩稽古編』における詩序論
第6章 清代詩経学における詩序論
第7章 陳啓源の賦比興論―六義論に関する一考察として
著者等紹介
江尻徹誠[エジリテツジョウ]
1975年北海道旭川市生まれ。2008年北海道大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)取得。現在、北海道大学大学院文学研究科専門研究員。専攻は中国思想詩経学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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