内容説明
今日なお難民の発生は頻発し、恒久的解決の道もまた遠い。だが、人道上も安全保障上も放置が許されぬこの問題については、様々な国際協調が試行されてきている。20世紀初頭から現在に至るまでの、多様なアクターによる難民ガバナンスの歴史と、欧州、東南アジア、アフリカにおける難民問題の現状を詳説しつつ、対立する利害を調整する活発な国際機構・地域機構の活動など問題解決の方途を考察した本格的研究。
目次
第1部 難民問題をめぐる国家間協調(重層化する難民ガバナンス;難民ガバナンスへの理論的アプローチ)
第2部 国際的な難民ガバナンスの形成と発展(冷戦期の難民ガバナンス―国家主導型ガバナンスとUNHCRの役割;ポスト冷戦期の難民ガバナンス―UNHCR主導によるガバナンスの拡充)
第3部 地域的ガバナンスの勃興(ヨーロッパ―EC/EUにおける排他的難民ガバナンスの構築;東南アジア―ASEANを用いた協調と重層的ガバナンスの戦略的利用;アフリカ―AU・ECOWASにおける域内協調の模索)
重層化する難民ガバナンスのゆくえ
著者等紹介
中山裕美[ナカヤマユミ]
1983年、宮崎県生まれ。京都大学法学部卒業。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科アフリカ地域研究専攻修士号取得退学、地域研究修士。京都大学大学院法学研究科博士後期課程修了、博士(法学)。現在、京都大学大学院法学研究科助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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