内容説明
経済発展を続けるインドでは膨大な無認可学校が生み出されている。教育を社会的上昇の鍵として希求する国民の熱意に、政府の教育普遍化の能力ははるかに及ばなかったのだ。詳細な調査を通じ、貧困層を対象とした低額私立学校を中心にこれら無認可学校の全貌を明らかにするとともに、無認可学校の存続に関わる営為の総体を、公教育が孕む矛盾・欠陥をまざまざと反映する「影の制度」と捉え、その意義と役割を分析・解明。
目次
第1章 教育の普遍化政策と公教育制度の構造
第2章 デリーの無認可学校の法的正当性
第3章 無認可学校の組織的構造
第4章 保護者の学校選択と「影の制度」
第5章 教育制度の正規化と「影の制度」
終章 「影の制度」の役割・課題・展望
著者等紹介
小原優貴[オハラユウキ]
1978年生まれ。関西学院大学総合政策学部卒業。京都大学大学院教育学研究科博士後期課程研究指導認定退学。博士(教育学)。比較教育学専攻。アクセンチュア(株)(2002~2004年)、インド国立教育計画経営大学・リサーチ・インターン(2008~2009年)を経て、現在、日本学術振興会特別研究員(PD)(早稲田大学大学院アジア太平洋研究科)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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