内容説明
2004年の認証評価制度導入から早10年。一体、認証評価制度導入以前の時代、大学設置認可後の質はどのように保証されていたのだろうか。日本の高等教育は、戦後一貫して、欧米からの影響が圧倒的で、わが国独自の制度はその陰に隠れ、顧みられることがなかった。しかし、あるシステムの移入・定着には、その国特有の歴史的構造・文脈との融合が不可欠である。本書は、わが国の高等教育視学委員制度に焦点を当てた、初の本格的研究である。戦前・戦後100年近く、高等教育質保証システムに一定の役割を果たしてきたこの制度は、今、高等教育関係者の見逃せぬ検討課題として立ち現れてきたのだ。
目次
序章 問題の所在と研究の枠組み
第1章 戦前における視学委員制度
第2章 戦後における視学委員制度の展開
第3章 アクレディテーションと視学委員制度―大学基準協会での議論を中心に
第4章 視学委員制度の運用―1991年~2004年を中心に
第5章 視学委員制度から認証評価制度へ
終章
著者等紹介
林透[ハヤシトオル]
石川県金沢市生まれ。京都大学文学部国語学国文学専攻卒業、京都大学大学院文学研究科国語学国文学専攻修士課程修了、桜美林大学大学院国際学研究科大学アドミニストレーション専攻修士課程(通信教育課程)修了、名古屋大学大学院教育発達科学研究科教育科学専攻(高等教育マネジメント分野)博士後期課程単位取得満期退学。北陸先端科学技術大学院大学大学院教育イニシアティブセンター副センター長・特任准教授を経て、山口大学大学教育機構大学教育センター准教授、博士(教育、名古屋大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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