内容説明
英国におけるポリテクニクの大学昇格は、大学=純粋学問、ポリテクニク=応用学問という二元構造の法的解消であると共に、エリートと非エリートを厳然と分かつ「対位線(分割線)」の「転位(移動)」、即ち強固な英国的伝統の超克に繋がるものだった。本書は、社会的公正、財務政策、グローバル化等多様な要因に基づくこの高等教育一元化の全てを詳細に考察しつつ、同時に大学の多様化と質の問題はじめ現代大学の普遍的問題群を活写した、今日第一級の教育政策史研究である。
目次
第1部 歴史的、政策的考察(一元化以前の高等教育機関の類別的考察;高等教育の一元化に至る政策の変遷)
第2部 実証的考察(一元化以降の大学進学者の質の変化;一元化以降の学位の質と制度の変化;一元化以前の補助金配分機関の役割と政策;一元化以降の大学における財務と財務政策;大学の管理運営と組織文化;対位線の転位による質的転換)
著者等紹介
秦由美子[ハダユミコ]
大阪市生まれ。お茶の水女子大学卒業後、アメリカ大使館勤務。その後、オックスフォード大学で修士号、東京大学で博士号(教育学)を取得し、大阪大学准教授を経て、広島大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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