内容説明
「共生」は今、理論・実態の考察不十分のまま、一種聞こえのいい定型句と化しつつある。特に今日のグローバル化において根底をなすべき「国際共生」に関する研究は至って乏しい。それは例えば「国際共存」「国際協力」等とどこが異なりどこが新しいのか―本書は、従来の国家間関係主体の考察のみでなく、さまざまな国際的アクターの協力・調整に基づく現代国際共生の概念と在り方を、平和、人権、環境、開発、教育の各分野を通じ、鋭意追求する。
目次
第1部 平和と国際共生(「国際共生」概念の意義―“危機”から“共生”へ;国際共生と東アジアの平和構築)
第2部 人権と国際共生(人権ギャップの維持/縮小の政治―交差するラインを超えて;公正なグローバル秩序のための人権の潜在力)
第3部 環境と国際共生(自然資源の「協治」からみた「国際共生」;対立か協調か―気候変動と国際共生)
第4部 開発と国際共生(2015年以降の開発アジェンダへ向けた開発協力のあり方;国際開発CSOと国際共生―「援助効果」議論を中心に)
第5部 教育と国際共生(母語教育とアイデンティティ―中国にルーツを持つ子どもたちを中心に;進学問題と教育支援―ニューカマー児童・生徒の場合)
著者等紹介
黒澤満[クロサワミツル]
大阪大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学、博士(法学)、専門領域:国際平和・軍縮、現在大阪女学院大学大学院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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