内容説明
1970年代初頭からの国によるコミュニティ政策とは何だったのか。そして、いまなお「無縁社会」化が語られるのはなぜか。コミュニティの自主性が強調されるあまり、その制度的な支援のあり方が、十分に検討されてこなかったのではないか。本書は、コミュニティ政策学会が総力をあげて、従来の地域自治の蓄積をふまえた「施策」の展開過程を検証し、自治体内分権と地域自治へ向けてのコミュニティ政策のあり方を追求した、今日まさに必須の研究である。
目次
なぜ、いま、自治省コミュニティ施策を問い直すのか
1部 視点と方法の再定立(コミュニティ政策の概要と展開;モデル地区の予備的研究;地方公共団体におけるコミュニティ施策の展開―自治省調査の再分析)
2部 検証―個別事例と全体分析(宮城県の事例;愛知県の事例;広島県の事例;自治省コミュニティ地区の量的分析)
3部 展望―自治体内分権と地域自治へ向けて(福祉国家・地方自治・コミュニティ―コミュニティ政策を検証する構造的・国際比較的視点;自治省コミュニティ施策の到達点と新たな課題)