内容説明
グローバル化に対応した教育としてまず挙げられるのは多文化教育である。だが今日多様性は、階層、ジェンダー、地域、障害者等、さらに様々に広がっており、これらの差異を超克した社会的公正をめざす教育がわが国でも強く求められる。その点において、多文化主義を国是に、この種のインクルーシブ教育を推進しているオーストラリアは注目に値する。現代的多様性に対応しうる教員養成のあり方を具体的に紹介し、考察した研究。
目次
第1章 社会の多様性と教員の資質・能力(社会の多様性と学校教育;学校教育と教員と資質・能力;教育政策と教員の資質・能力)
第2章 クイーンズランド州の教員養成(教員養成の歴史的変遷;クイーンズランド州の教員養成・登録・採用・研修制度;クイーンズランド州の教員養成制度)
第3章 教員養成プログラムの構造(1980年代から1990年代のプログラム;2009年度のプログラム;プログラムの枠組み;プログラムの構造)
第4章 教員養成プログラムと多様性(養成内容の変容;2009年度の養成内容;多様性の視点から見たクイーンズランド州の教員養成;グリフィス大学における学生の「学び」)
終章 オーストラリアの教員養成とグローバリズム(教員に求められる資質・能力;オーストラリアにおける実践の意義;オーストラリアの教員養成―今後の課題と展開)
著者等紹介
本柳とみ子[モトヤナギトミコ]
1954年京都市生まれ。早稲田大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。博士(教育学)。神奈川県の公立中学校英語科教員として勤務の後、早稲田大学大学院で研究を行う。現在、神奈川県立国際言語文化アカデミア専任講師。専門は比較教育学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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