内容説明
「異質なものの統合」を目指すドイツの先駆的挑戦。「統一」後の東西ドイツ統合、超国家EUへのドイツの統合、激増する外国人移民とドイツ人の統合―これら喫緊の社会統合に関わる教育課題をドイツはどう克服しようとしてきたか?複雑に錯綜する問題構造に対峙し、変転する世界状況下、つねに相克と緊張を孕みつつ展開するドイツの先駆的挑戦に予定調和的な終幕はない。20数年にわたるその軌跡の全貌を実証的に活写した本書が、急速なグローバリゼーションのただなかで模索する日本の教育のあり方に大きな示唆を与える理由も、その取組み方の未来志向性にあるだろう。231の豊富な図表からドイツの、さらには広くヨーロッパレベルの軌跡を包括的に知ることもできる著者会心の労作である。
目次
ドイツの教育制度概観
第1部 ドイツ統一と旧東ドイツ教育の再編(旧東ドイツ教育の終焉;新しい学校制度の構築と各州の動向;学校現場の反応と教員解雇をめぐる諸問題 ほか)
第2部 ヨーロッパ統合とドイツの教育―高等教育改革を中心に(教育政策―ECからEUへ;ヨーロッパの高等教育改革(その1)―1990年代の動向と課題
ヨーロッパの高等教育改革(その2)―ボローニャ・プロセスを中心として ほか)
第3部 ドイツの外国人問題と教育格差(ドイツの外国人問題;外国人問題と教育の課題;今後の展望―持続可能な社会の構築に向けて)
著者等紹介
木戸裕[キドユタカ]
1949年8月生まれ。東北大学大学院教育学研究科教育学専攻修士課程修了。同博士課程退学。1977年4月から国立国会図書館に勤務。調査及び立法考査局文教科学技術課長等を経て、2005年総合調査室主幹。2007年から専門調査員(海外立法情報調査室、総合調査室)。この間、国会議員の立法活動を補佐。とくに文教問題に係わる内外の事項全般の立法調査業務に従事。青山学院大学大学院非常勤講師(比較教育学)を務める。文部省(文部科学省)、国立教育研究所(国立教育政策研究所)、大学入試センター等の各種研究プロジェクト、科学研究費共同研究等に参加。現在、大学入試センター入学者選抜研究機構客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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