内容説明
美しい言葉は乱舞するが真の刷新力は皆無―こうした教育言説の多くは意識せぬままに、ある許容された語りの質の裡に滑落している。その結果生じた危機をヴェールで覆う耳障りのいい語りの連続こそ、今日の危機の一面なのだ。目次に見るとおり、一見真意が見えず、どこか奇妙で挑戦的な本書14の講義名は、この種の許容された語りを突き破るべく選ばれたツールに他ならない。読者・聴者の「当惑」を通じ定型的言説の打破をめざす、ユニークな刺激的講義。
目次
1 いのちと環境の教育学(君はダイコンの壮絶な死を見たことがあるか―いのちについて考える;保護されてオットセイは増えたのか、それとも減ったのか―均衡について考える;ミルクコーヒーを注文できる喫茶店があるか―循環について考える)
2 国際化とグローバル化の教育学(地球市民は泥棒に入られたらどこに電話するのか―帰属について考える;子供が母親に母国語を教える国があるのか―同化について考える;食堂の主人はなぜ行きずりの客にスープをふるまったのか―愛について考える)
3 いきがいとアイデンティティの教育学(一匹狼のあなた、「一匹狼の会」に入りませんか?―承認について考える;AKBはなぜ「どん兵衛」に勝てないのか―理性について考える;君は自分と通話できるケータイを持っているか―存在んついて考える)
4 戦争と平和の教育学(四月二八日、今日は何の日?―断絶について考える;どうすればディズニーランドに住むことができるのか―幻想について考える;平和憲法は世界にいくつぐらいあるのか―命名について考える)
5 学びと生成の教育学(ケーキを二人で仲良く等分してどこが悪いのか―理論について考える;セーラー服の時代はもう終わったのか―教育について考える)
著者等紹介
小西正雄[コニシマサオ]
昭和25年大阪市生まれ。現職:鳴門教育大学大学院学校教育研究科教授。専攻:教育文化人間論、社会認識教育論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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