内容説明
国際政治学の主要理論(ネオリアリズム、ネオリベラリズム、コンストラクティビズム)を複雑システムの考え方で総合し、介入を通して作られる国際秩序の複雑なダイナミクスを事例研究で解明―20世紀初めのアメリカの介入政策の内在動因が、国家利益、国際システムの利益、理念間の相互作用(複雑システムのダイナミクス)であり、それが1930年代の善隣政策(不介入政策)にまで繋がっていた過程を解明する本書は、国際政治学に新たな示唆をもたらす労作である。
目次
複雑システムによる国際政治の総合的理解
分析枠組み―複雑システムの理論
第1部 現代国際政治理論の関係づけと体系づけ―ネオリアリズム、ネオリベラリズム、コンストラクティビズムの総合化を目指して(ネオリアリズム―利害システムの論理;ネオリベラリズム―役割システムの論理;コンストラクティビズム―シンボル・システムの論理)
第2部 アメリカの介入政策によって始まる20世紀初頭の米州秩序の形成と展開―複雑システムによる仮説の設定と事例による検証(検証における仮説、モデル、事例;キューバへの介入;パナマ独立(コロンビア)への介入 ほか)
結語
著者等紹介
草野大希[クサノヒロキ]
1974年神奈川県生まれ。1996年上智大学文学部新聞学科卒業。2005年上智大学大学院外国語学研究科国際関係論専攻博士後期課程単位取得満期退学。2007年上智大学より課程博士(国際関係論)の学位取得。上智大学外国語学部非常勤講師、上智大学大学院地球環境学研究科非常勤助手、埼玉大学教養学部助教を経て、埼玉大学教養学部准教授(2009年より)。専攻は国際政治学、アメリカ外交、グローバル・ガバナンス論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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