内容説明
開発経済学に依拠した途上国開発の内容検討から、援助国側政策の国際政治学的分析へ―本書におけるこの既存研究路線の転換が孕む意味は大きい。援助超大国アメリカの最近の行動変化、すなわち、国益優先を堅持し、期待される協力から逸脱を繰り返してきた従来の国家行動が、貧困削減への積極的姿勢に転じた経緯の追究を通じ、国際開発規範の法制度化等、その高次化が果たす役割の分析・考察を中心に、国際開発協力に新たな展望を拓く力作。
目次
序章 国際開発協力の国際政治学的アプローチ
第1章 国際開発規範―定義と動態
第2章 規範主導国アメリカ
第3章 成長規範の拡散と国際開発庁の設立
第4章 貧困規範の利用による国際開発庁の再生
第5章 G・W・ブッシュ政権を制約する貧困規範
終章 国際開発協力研究の発展に向けて
著者等紹介
小川裕子[オガワヒロコ]
1972年東京生まれ。1995年津田塾大学学芸学部国際関係学科卒業。2002~2003年イェール大学国際関係・地域研究センター客員研究員。2007年東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻国際関係論コース博士号(学術)取得。2009年より早稲田大学政治経済学術院助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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