内容説明
折り重なる瓦礫のなかで仮設住宅に店舗をつくり移動販売車を走らせ、モノとサービスを提供しつづけようとした人々への共感をこめて、コンビニ研究の権威がつづる六カ月の観察記録。
目次
第1章 大災害時に「コンビニエンス」とは何か―本書のねらい(ライフラインを直撃した大震災;ライフラインを狙ったコンビニチェーン)
第2章 コンビニが受けた大震災の被害と再起(大災害の発生;コンビニの被害状況;コンビニATMの課題;営業成績への影響;自治体との協力関係の構築)
第3章 大災害へのコンビニの対応(震災直後の対応;迅速な店舗の復旧;配送システムの復旧;コンビニ以外の小売り・サービス企業の対応)
第4章 コンビニの本質と震災後への戦略(供給はコンビニの命;蓄積された経験;震災後の新たな動き;業績見通しと積極的な出店戦略)
第5章 ライフラインというコンビニエンスの追求
著者等紹介
川邉信雄[カワベノブオ]
早稲田大学名誉教授。文京学院大学・文京学院短期大学学長。1945年広島県生まれ。早稲田大学第一商学部卒業、同大学院商学研究科・オハイオ州立大学大学院(フルブライト奨学生)に進む。博士(商学)早稲田大学、Ph.D.(オハイオ州立大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヴェネツィア
282
タイトルが語るように、東日本大震災に際してコンビニ業界各社がいかに対応したかの考察。実は、この業界では1995年の阪神・淡路大震災、そして2004年の新潟中越地震の教訓から、すでに様々な対応を立てていた。もちろん、それにもかかわらず東日本大震災は予想を遥かに上回るものだったのだが。驚くのは、例えばセブンーイレブンは東北・茨城の店舗1454店の内、600店が震災直後に閉店を余儀なくされながら、2週間後には90%が店を再開させている。使命感と力量だろう。商品の流通からATMに至るまで学ぶべきことは実に多い。2016/03/28
jupiter68
2
災害時ではこの業界はすごい力を発揮するよ。行政も、彼らを力強い味方だと考えているのではないかな。ただ気になるのは、発災直後は理解が低い気持ちだけのボランティアがすぐ隣でただで物を配ってしまったりすること。こんなところをしっかりと住み分けしないといけないよね。2012/09/17
最終バック九番手
2
震災時のコンビニについて主に肯定的な面から書かれている…24時間営業が夜間や未明時の防災対応になることは理解できたけれど少しぐらい節電や省エネを進めても大量に新規出店していたら結果的に余計に資源を使っていることにならないか…参考文献:あり…初版第1刷発行:2011年11月25日…本体940円2012/06/12