内容説明
存在と言語をめぐるハイデッガーと日本人との対話。西洋形而上学の超克を企てるハイデッガーと異なる「存在の家」に住む日本人との緊迫した対話が、「在る」ことの不可解さに肉薄する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
25
確かに日本人にとっては貴重なテクストですが、「日本人」が近代ヨーロッパのフレームワークに余りにも無自覚で、ハイデガーは固有名でない集合名詞の「日本人」を使っていることからも、お互いがオリエンタリズムという批判の域を出ていない気がします。ヨーロッパとその範であるギリシャにしか関心のないハイデガーにとって、対話があまり生産的なものでなかったのは致し方ありません。とはいえハイデガーは「問われる人」であって、「問う人」と加工されているのは見くびられているようでいて、何とも歯痒い思いです。2020/10/24
tyfk
3
「問う人 で、〈こと〉はなにを言うのでしょう。」 「日本人 …私たちは、〈いき〉を、静寂の呼びかけが純粋に魅了することだとしたのですが、静寂のそよぎが魅了の呼びかけを性起させる、このそよぎが、あの魅了を到来させる漲りです。しかし、〈こと〉は同時に常にその都度に魅了するものそれ自体を指しているのですが、この魅了するものは、いつか、またとない瞬間においてのみその優美を湛えて輝き現れてくるのです。」 「問う人 そうしますと、〈こと〉というのは、優美の晴らせる言づてが性起することだ、ということになりましょう。」2023/07/29
四菱全事🍀物🔬学🧠念分析官瑛司📚念農家😸情報加工技術♻二次創作的商的経済人
3
【図書館本】気障に話を小難しくして二人が話し合ってる本。「空」が話題にあがっていた事だけ面白かった。 年表が面白い。2015/03/24
センケイ (線形)
1
読みやすい。もちろん分かったつもりでスイスイ読むのは危ういのだが、かなり詳細な脚注がこれを防いでくれる。直感と理屈とで交互に理解していけるような構造だ。一言一言は抽象的なのだが、言葉の使われ方が一貫しているため、他の入門書も読んでいたおかげもあって、理解が深まったように思う。具体的には、〈事実存在〉と〈本質存在〉は同時に、か今まさに発露しつつあることが重要だという点は改めてよく分かった。一方、言葉というツールの限界も痛感される。モノを言うことそれ自体が一つの恣意だからか、その手前には手が届きがたいのだ。2019/03/30
Takuo Iwamaru
1
ドイツ人哲学者のハイデガーが、ドイツ語で、日本人を主眼とし、西洋の哲学者と対話をする形式で、日本人における、西洋と日本人との感覚の違いを、ときに日本語に即して語る、そんな本です。以上をふまえたところで考えたいのですが、「さて、僕は一体何を読んだのでしょう」? 上記のように、本書の成立自体が、複雑なパズルのようです。 さらに僕は日本で生まれ、住まう日本人。日本人として本書を日本語で読むということの意味を考えると、さらにパズルは複雑になります。言葉を読む(読めてしまう)ことの意味を考えさせられました。2012/07/27




