ハイデガー『哲学への寄与』解読

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  • サイズ B6判/ページ数 294p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784582702590
  • NDC分類 134.9
  • Cコード C0010

内容説明

「ハイデガーの真の主著は『哲学への寄与』である」とまで評価されたこの1936‐38年の草稿は、ハイデガー自身によって長く公表が控えられ、最晩年に準備された全集で「自分の講義がすべて刊行されたのちに出版するように」と指示されたため、彼の死後、生誕100周年にあたる1989年にようやく陽の目を見た。ドイツ語版全集の出版に続き、英語訳も出版され、昨年には日本語訳も出版され、長く秘められたハイデガー哲学の最高到達地点が、ここに明らかにされる。

目次

序論 『哲学への寄与』というテクスト
1 ハイデガーの時代診断―「響き」
2 哲学史の最後の物語―「はたらき合い」
3 行為としての存在史的思索―「跳躍」
4 運命の時間‐空間―「基づけ」
5 民族とは何か―「来るべき者たち」
6 人間が「神」に向き合う最後の可能性―「最後の神」

著者等紹介

鹿島徹[カシマトオル]
早稲田大学文学部。哲学

相楽勉[サガラツトム]
東洋大学文学部。哲学、比較思想

佐藤優子[サトウユウコ]
東北大学大学院文学研究科博士課程。哲学

関口浩[セキグチヒロシ]
早稲田大学、関東学院大学、東海大学、成蹊大学非常勤講師。哲学

山本英輔[ヤマモトエイスケ]
法政大学、流通経済大学非常勤講師。哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ディヴァイン

3
『哲学への寄与』へ至る架け橋になる優秀な論文集。初めっから挑んだら、余りに難解な文体と内容に困惑と挫折当然。『存在と時間』では「本質存在」「実存存在」の考察や「時間」の優位性などの性格を見つめていたが、よく言われる「転回」が始まった瞬間の開化を告げる「存在棄却」「存在忘却」「目配せ」などの新構造を増築する『寄与』の姿が細かく書かれている。『寄与』と時代背景(ナチズムが主)の関係も密接に書かれており、なかなか読みごたえもあり、ハイデッガーその人への考察にも鋭い視線を投げ掛けている。2010/02/06

まぶたのあるいきもの

0
ハイデガー第二の主著とも、ただのノートとも呼ばれている「哲学への寄与」その「哲学への寄与」の解説本です。 どうせ、晦渋極まる文体で書かれていると思いきや、そうではなくて普通の日本語で書かれています。非常にそこは評価できると思います。知識のバックボーンもそれほど多くは要求していないので、ハイデガーを少し読んだことがあるひとならば、それなりに読み進むことができると思います。(難しいけど読むことは可能) 本書と「寄与」の訳書では、訳語が違うことが残念。 2016/04/08

Bevel

0
存在と現存在を媒介する晦渋さを整理して、構造をわかりやすく取り出した本。存在の「裂け開け」の激しさを表現するため、能動性と受動性の糸を丁寧に編みこんでいくハイデガーの思索は、「ものを考えること」と(最後の)絶対者を結び付けることを意図するものだった、という結論。違うのは「神様の名前」と、「歴史性」だけである(そしてこの二つこそが重要に思われる)。哲学史を「存在」のための神話にしてしまおうとしている、ということなんだと思う。2010/05/23

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