内容説明
初老の言語学者ベイツは、「難聴」が悪化し、いつもトラブルばかり…はたして教授は、女学生が仕掛ける甘い誘惑を、かわすことができるのか。
著者等紹介
ロッジ,デイヴィッド[ロッジ,デイヴィッド][Lodge,David]
1935年ロンドン生まれ。「コミック・ノヴェル」の大家であり、世界中に多くの愛読者を持つ、英国を代表する作家。バーミンガム大学英文学名誉教授
高儀進[タカギススム]
1935年生、早稲田大学大学院修士課程修了。翻訳家。日本文藝家協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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りつこ
4
今まで読んだロッジの小説の中でダントツに好きだった。失聴を喜劇と言い切りそれによって起こる困った出来事を面白おかしく日記に書くベイツ教授の姿はそのまま作者の姿とも重なり、老いるということはこんなにも不便で惨めでプライドがずたずたになることなのかと思う。でもそれを笑って受け止め、さらに自分よりもっと老いた親の姿と死を見つめる視線が厳しいけれどあたたかくて好きだ。ロッジおそるべし。2010/05/08
きうりっち
3
難聴で早期退職を余儀なくされた大学教授。耳が聞こえにくいということは人とのコミュニケーションが難しくなるということで勢い孤立しがちになる。読者としては若い頃なら揶揄する気持ちのほうが強いと思うが年を取ってくるとつらさが身にしみて分かる。変な女とのかかわりに振り回されている前半と父親の最後の日々の描写、特に妻の死に臨んで教授が果たした役割の重さなど後半の内容の変化が少し受け入れにくかった。ともかくベイツ教授は二度の結婚で多くの家族に恵まれ、あれこれあっても幸せな晩年を全う出来そうでまずは良かったと思う。2021/10/10
Mark.jr
2
<難聴に悩まされる元言語学教授のデズモンド・ベイツは、ひょんなことから謎めいた女性・アレックスの遺書の文章の構造的解析の研究を手伝うことに...。> 基本は著者の代表作である「交換教授」の路線を引き継いだ、人間関係の喜劇・悲喜劇ですが、こちらは"老い"の要素が入った分、より苦みが強い読み味です。そんな中でも、一人称と三人称を使い分けたり、言語学に関する記述が出て来たりなど、著者の高い知性を感じます。2020/03/13
ゆうげん
2
ベイツ教授は難聴で、時々頓珍漢な返事をしてしまい周囲をイライラさせたり笑われたりする。難聴を完全な喜劇としてかいてあり、ただ読んでいるだけなら面白かった(本人や周りは大変だろうけれど)。年をとるとどうなるのかをリアルに感じられた。2010/05/25
takao
1
ふむ2022/05/11