ハン・ガン コレクション<br> 私の女の実

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ハン・ガン コレクション
私の女の実

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  • サイズ 46判/ページ数 386p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560026670
  • NDC分類 929.13
  • Cコード C0097

出版社内容情報

ノーベル文学賞受賞作家が二十代後半に発表した短篇小説集
解説:桜庭一樹

ノーベル文学賞作家ハン・ガンの初期から近年に至るまで、未邦訳の小説を斎藤真理子個人訳で贈る《ハン・ガン コレクション》第1巻。
『菜食主義者』の前身である表題作をはじめ、変化していく社会の中で個人が抱える闇と傷を凝視した、生命力みなぎる初期の短篇8篇。
「私の女の実」:高層マンションの13階に妻と暮らす夫は、妻の体に痣があることに気づく。結婚後4年に及ぶ生活の中で妻が心を削られてきたからなのだが、夫はそのことに気づかず、妻はしだいに言葉を失っていった。ある日、ベランダに出ていた妻の体の一部が植物になっているのを見つけた夫は、大きな植木鉢を買ってきて妻を植えるが…
「日暮れ時に犬たちはどんな気持ちだろう」:貧困と父親の暴力に耐えかねて母親は出て行き、酒飲みの父と暮らすことになった少女テリョン。学校に行くこともできない少女は空腹を抱えつつ、母との思い出を拠り所に、父や周囲のことにじっと目を凝らす。
「赤ちゃん仏」:人気のニュースキャスターで完璧主義者の夫と暮らすイラストレーターの「私」は、普段から化粧もしない地味な女性。だが、自分だけが知る夫の秘密がある。彼の体には子供の頃に負ったやけどの跡が全身にひろがっている…
「ある日彼は」:体一つで上京した彼は、新聞・雑誌社に本を配達する仕事をしている。ソウルの埃と煤煙がひどいため、彼は配達中に何度も顔を洗う。冬のある日、ミンファと出会ったのも顔を洗った直後だった。彼から本を受け取るとき、ミンファは悲鳴をあげた。彼の頬が裂けて血が出ていたのだ。再度配達に行った際、ミンファに「横顔、すてきですね」と言われた彼は彼女をデートに誘う…


【目次】

日本の読者の皆さまへ  ハン・ガン

私の女の実
日暮れ時に犬たちはどんな気持ちだろう
赤ちゃん仏
ある日彼は
赤い花の中で
九つの物語
白い花
線路を流れる川

あとがき ハン・ガン
解説 声なき人の代わりに 桜庭一樹
訳者あとがき 斎藤真理子

内容説明

『菜食主義者』の前身である表題作をはじめ、変化していく社会のなかで個人が抱える闇と傷を凝視した初期の8篇。ノーベル文学賞作家ハン・ガンが二十代後半に発表した短篇小説集。

著者等紹介

ハンガン[ハンガン]
1970年、韓国・光州生まれ。延世大学国文学科卒業。94年、ソウル新聞の新春文芸で短篇小説「赤い碇」が受賞し、作家としてデビュー。2005年、中篇「蒙古斑」で韓国最高峰の文学賞である李箱文学賞を受賞。同年を含む三つの中篇小説をまとめた『菜食主義者』で16年にアジア人初の国際ブッカー賞を受賞。17年、『少年が来る』でイタリアのマラパルテ賞を受賞、23年、『別れを告げない』でフランスのメディシス賞(外国小説部門)を韓国人として初めて受賞し、24年にフランスのエミール・ギメ・アジア文学賞、26年に全米批評家協会賞を受賞した。24年、アジア人女性として初めてノーベル文学賞を受賞した

斎藤真理子[サイトウマリコ]
翻訳家。パク・ミンギュ『カステラ』(共訳)で第一回日本翻訳大賞、チョ・ナムジュ他『ヒョンナムオッパへ』で〈韓国文学翻訳院〉翻訳大賞、『別れを告げない』で読売文学賞(研究・翻訳賞)受賞。2025年、第8回井上靖記念文化賞特別賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ネギっ子gen

72
【私という固定された存在があるのではなく、流れる水のように変化する過程こそが私だ】「菜食主義者」の前身である表題作など初期の短篇小説8篇を収録。解説は桜庭一樹。このシリーズの小説すべて未翻訳で斎藤真理子訳。「あとがき」に、<私はときに傷ついた。執着し、欲望し、自分を憎んだこともあった。そうやって恥じることを知り、少しずつ低くなり、小さくなり、そんな貧しい心で人生をもう少し理解できるようになったのだと思う。長く、深く見つめるために努力してきたのだと思う。その間、書くことは私にとって存在する方法だった>と。⇒2026/08/19

ヘラジカ

50
ハン・ガンの作品は日本でも主流である所謂「純文学」の極北ではないか。現代社会に埋没している普遍的で個人的な” ダークサイド”に光を当てて、時には幻想性を持たせて、時にはリアリスティックに描く筆致は、日本の読者に非常に馴染み深いものだ。初期の短篇集(なんと20代後半!)でありながら、どの小説も、それこそ芥川賞を受賞するような高いレベルの作品であり、後の傑作にも通ずるテーマ性を秘めている。このコレクションは間違いなく必読だ。一冊で確信、断言できる。2026/07/04

もえ

44
ハン・ガンさんが20代後半に執筆した8つの短編集。後の作品の源泉となったモチーフが沢山出てきて興味深かった。表題作の「私の女の実」は高層マンションに暮らす妻が植物になる話で『菜食主義者』を彷彿とさせる。ドラマになりそうだと思ったのは「赤ちゃん仏」で、人気ニュースキャスターの夫の秘密とそれを密かに嫌悪する妻の対立と葛藤が面白い。虐げられ貧しく哀しみを湛えた主人公が多い中「赤い花の中で」の少女ソニが選ぶ仏門の道は、韓国女性の希望の光のようだと思った。「ある日彼は」でミンファが語るレンギョウの花の場面も好きだ。2026/08/22

M H

25
ハン・ガンが20代後半に発表した中短編集。「菜食主義者」のもとになった表題作など8編。抑圧された生や痛みを凝視して詩的に表現する作風ゆえ、読んでいて胸が塞ぐ。ただ、斎藤真理子さんによる解説がいつも通り秀逸で、消化と理解を大いに助けてくれる。傷を傷として認識してはじめて光への道筋が拓ける。確かに「回復する人間」もそうだった。辛すぎてハン・ガンの良い読者にはなれないが、また触れられたら。2026/08/31

日の丸タック

25
ノーベル文学賞受賞前の中・短編小説集。 美しい言葉を並べ美しい表現を綴られる文章は秀逸。 味わい深い文章が語るものは? 理解でなく感じること!2026/07/27

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