出版社内容情報
辻原登[ツジハラ ノボル]
内容説明
小説家だからこそ見抜ける“不朽の名作”の真実!文学講義の名手が贈る4つのレクチャー。
目次
1 『カラマーゾフの兄弟』を「要約する」(講義のいきさつ;私の「ドストエフスキー嫌い」の真相 ほか)
2 『カラマーゾフの兄弟』を深める(探偵小説という枠組み;冒頭をもう一度 ほか)
3 対談 亀山郁夫×辻原登 文学の「時代」と「時間」―『カラマーゾフの兄弟』と『新カラマーゾフの兄弟』をめぐって(「父殺し」から、「救済」と「復活」へ;ドストエフスキーは一筋縄ではいかない ほか)
4 名場面紹介 ドストエフスキーを貫く「斜めの光」―『罪と罰』『カラマーゾフの兄弟』『悪霊』から(『戦争と平和』(レフ・トルストイ)
『ボヴァリー夫人』(ギュスターヴ・フローベール) ほか)
著者等紹介
辻原登[ツジハラノボル]
1945年和歌山県生まれ。1990年「村の名前」で芥川龍之介賞、1999年『翔べ麒麟』で読売文学賞、2000年『遊動亭円木』で谷崎潤一郎賞、2005年『枯葉の中の青い炎』で川端康成文学賞、2006年『花はさくら木』で大佛次郎賞、2010年『許されざる者』で毎日芸術賞、2011年『闇の奥』で芸術選奨文部科学大臣賞、2012年『韃靼の馬』で司馬遼太郎賞、2013年『冬の旅』で伊藤整文学賞を受賞。エッセイ集に『新版 熱い読書 冷たい読書』(2013年毎日出版文化賞書評賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
踊る猫
24
ドストエフスキーを「現在」の作家としてどう読むべきか。前半は『カラマーゾフの兄弟』の要約で終わってしまい、後半の亀山郁夫氏との対談は内輪の褒め殺しで終わっているようでかなり残念に思う。が、作家としての視点からしか語れない(「批評家」には出来ない)分析もあるのでそこが困った面白さでもある。そこで問いは最初に戻る。世紀を跨いでドストエフスキーを如何に読むべきか。そう考えてみると亀山氏との対談の内側に思考のヒントが隠されているように思う。その意味では結構難易度は高い書物なのかもしれない。トルストイを読んでみたい2018/01/27
ころこ
10
まず、「カラマーゾフの兄弟」は読んだ方が良いです。光文社新古典文庫の亀山訳ならば案外スラっと読めます。訳の分からないところは、訳の分からないまま受け止める、それが文学です。何年か後、何十年か後に再読してみて下さい。本書はその亀山との対談が収録された、著者の思い入れ凝縮の解説本です。優れた小説はエンタメのようにストーリーでつなぐのではなく、場面の喚起力により読者の想像力を駆動する、著者はその様に言います。1章と2章は「カラマーゾフ」の要約ですが、登場人物のキャラクターを明確にし、彼らの人間関係を要約したもの2017/05/04
天晴草紙
8
ドストエフスキーの巨峰小説に挑む時、それぞれの登坂コースからその人の能力で解釈を試みる。あらすじを読むとそれを書いた人が重視している所がよくわかるが、大作家辻原氏の場合は、場面描写は高く評価しているが、大審問官の部分に否定的で、学生の質問にまで否定発言をさせている。よほど気に入らないのだろう。さらに、イワンの哲学的議論や悲惨な子ども虐待例を挙げてこの世の悪を糾弾している部分には、全く触れられず関心がないようだ。それが辻原氏の否定”新論”らしいが、残念ながら原作の魅力の新解釈や再発見には至らなかったようだ。2017/09/03
たっこ。
4
さすが。全4部のうちの前の2つがあの大長編の要約!ここだけでもかなり読む価値あり。読んでない人もガイドラインになるし、2回読んだ私も、あれ?そうだったか。と思うところがたくさんあってまた読み直したくなりました。3部の亀山対談、4部の名場面集と続くけど、やっぱり、前半2つが白眉だな。2017/02/28
裕由
2
初読みの作家さんでしたが、講習集のような形で大変分かりやすかったです。あまりに有名なドストエフスキーを色々な見方で示してくれて、しっかりと読んでみたくなりました。大事なシーンでは必ず斜めの光が射すというのも衝撃的です。2020/08/11




