内容説明
北海道を愛する夫の希望で、福井からトムラウシに移り住んだ宮下家五人。TSUTAYAまで60キロ、最寄りのスーパーまで37キロ。「誰が晩のおかずの買い物をするのかしら」。小中学生あわせて15名の学校には、元気満々曲者ぞろいの先生たち。ジャージで通学、テストも宿題もないけれど、毎日が冒険、行事は盛り沢山。大人も子供も本気の本気、思いきり楽しむ山での暮らし。大自然に抱かれた宮下家一年間の記録。
著者等紹介
宮下奈都[ミヤシタナツ]
1967年福井県生まれ。2004年「静かな雨」で文學界新人賞佳作に入選。2012年『誰かが足りない』が本屋大賞にノミネートされる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ウッディ
396
「北海道の大自然の中で暮らしてみたい」夫の一言で、トムラウシに移り住んだ「羊と鋼の森」の宮下奈都さん一家5人の1年間の物語。買い物、進学、収入・・心配事は多々あれど、「行けば何とかなるさ」「なんだか楽しそう」という楽天家ぶりに、読んでる自分もおおらかになれます。長い冬が終わっての生命の芽吹き、生徒15人の小中学校イベント、住民同士の結びつき、そんな僻地ならでは描写はもちろん、子供たちのお茶目な行動言動に対する宮下さんのツッコミが面白い。シリアスな感動ものかと思いきや、コミカルタッチ。とても面白い本でした。2017/11/30
修一朗
273
「若葉が芽吹くとき,樹の枝の先の方だけが妙にほやほやと薄明るく見える」トムラウシ。「羊と鋼の森」を描いた原体験となった山村留学の,美しい自然での生活の描き様が素晴らしかったし,田舎暮らしでの濃密な家族の生活にも魅せられた。生き生きとした家族の生活ぶりを眺める宮下さんも幸せそうだ。作中に最近よく読む北大路公子さんが登場,同じ時期の北海道の生活を書いているのに冬や雪との向き合い方がこんなに違うのには驚いた。だいぶ歳をとっちゃったけど,それでもああいうところで生活して家族の成長する姿を見てみたいなと思う。2017/05/11
文庫フリーク@灯れ松明の火
225
宮下奈都さんの紡ぐ物語には、温かく柔らかな手で、そっと背中を押されるような心地良さを感じるのですが・・・エッセイは別の顔?(いやこちらが素顔か)凄~く個人的な印象は、カーラ教授こと漫画家の川原泉さん1/4スペースIN・リアル北海道山村留学(褒めてます)厳冬に【ストーブのスイッチがおかしい。なだめすかしながらスイッチを押し、「いいストーブだなあ」と心から言わないと点かなくなった。心から、というのがなかなかむずかしい】【歌番組を観ていた娘「この人たちって、何ザイルだっけ」エグ以外に答えがあるのだろうか。】→2015/03/10
おかむー
177
どちらかといえば重い系の作品を書く作家さんほどエッセイになると軽いのは何故だろう。そのギャップが楽しいのだけれどね。『たいへんよくできました』。著者夫婦と中3、中1の息子、小4の娘の宮下家が北海道中央・トムラウシで一年間の山村留学で経験する暮らしを綴ったエッセイは、淡々とかつユーモラスで著者と家族、トムラウシに暮らすひとびとの活き活きとした姿が実に微笑ましい。それでいて村外の学校に出た子供の心の不調や、たったひとりの中3になった長男の微妙さなど、僻地の問題にもさらりと触れているところのバランスがよいですね2015/05/21
けんとまん1007
161
う~ん、トムラウシへ行ってみたくなってしまった!が結論の1冊。まさに、神さまたちがいるんだろうと思う。風景の中にも、そこに暮らす人たちの中にもだ。地域全体で子どもたちを育むというのが、よ~く伝わってくる。もちろん、少人数ならではの苦労もあるだろうが、それに代えられないものが、ふんだんにある。人は、やはり、大いなる自然の一部であり、その中で暮らすからこそ、本来の生命力が表にでてくるのだろう。こんな日記なら、自分も書いてみようかなと思わせるテイストが素晴らしい。2015/06/19




