内容説明
妻子との冷え切った生活に疲れた梅宮正樹は、要介護の母と一家4人で雪深い地方の町に移り住む。この睦間町では、長男を殺された源田直爾が復讐のため犯人の少年を殺害、その結果、英雄視され強権を振るっている。また、「“よそもの”のくせにこの町出身の夫を殺した」として誤認逮捕された小料理屋の女将、倉本郁枝とその子供たちを、今でもつまはじきにしている。ある日、町役場のシンボル像・ガーゴイルが破壊された。犯人は倉本家の息子か、源田家の素行の悪い次男か。ネット上で様々な憶測と噂が拡散し、町は疑心暗鬼と悪意の満ちるねっとりとした異様な空気に包まれるなか、喧嘩神輿の夜を迎える。“よそもの”の梅宮は、この絶望の町で家族ともう一度向き合うことができるのか―小説すばる新人賞・日本ホラー小説大賞読者賞W受賞のエンタメ界大注目の新鋭、待望の新作!
著者等紹介
櫛木理宇[クシキリウ]
1972年新潟県生まれ。2012年『ホーンテッド・キャンパス』で第19回日本ホラー小説大賞・読者賞を受賞。同年『赤と白』で第25回小説すばる新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いつでも母さん
135
読友さんのお薦めとレビューに誘われて。参りました!よく見たら帯にホラーの文字が(汗)恐る恐るページを捲ると・・もうもう怒りで私の頭は爆発寸前!こんな作品は初めてかと。最低最悪な輩ばかり。閉鎖的な町、村八分、情けない夫・・私なら子供が嫌がっても絶対に連れて逃げ出す。一見親しそうなご近所ってのが『くせ者』だよなぁ。大嫌いだ。プライバシーもあったもんじゃない!前時代的な人間関係に『反吐』が出る!こんな町は消滅して当たり前だ!不快感ばかりの読後で憤りが止まらない。だが、読むのをやめられなかった。この町はどこだ!2015/10/24
nobby
128
何とも酷い話。生活を立て直そうと閉鎖的な町へやって来た家族が目にする村八分。“よそ者”に向けての醜聞や冷遇を、よくぞここまで倫理観外れ幼稚に描くのはお見事!ただ登場する人物達の次から次のクズと呼ぶべき思考や行動に嫌悪感でいっぱい。加えて主役とも言える梅宮の軽率極まりなく、嫁姑・介護・教育を全て妻に丸投げする自分勝手でゲスでバカな様子が許せない。理不尽さに打ち勝った娘達にラストで垣間見える明るい兆しが救い。同時に彼も仕方なく許され微妙だが、多分繰り返すだろうから…2017/06/07
モルク
114
閉鎖的な田舎町。よそ者はいつまでたってもよそ者であり、自分達の価値観だけで判断され、そこにそぐわないものは村八分、それも徹底的に。悪いことは全てそこの家のせいにされ認めてもらうことはできない。仕事を辞め友人の学習塾に新天地を求め家族には事後承諾でこの田舎にやって来た梅宮は最低なくそ男。嫁姑問題も見て見ぬふりをし介護を全て妻に押し付け自分は逃げまどう。村におこる不穏な事件、祭りの夜遂に暴動が…梅宮の改心を私は信用しない!老人たちの方言、名物ポッポ焼きから舞台は我が市の近隣だな。2021/02/16
優愛
104
声高に言う奴がいる。誰もが、そう。生まれてきた事自体に意味がある、と。果たして一体、どの口で言ってるの?気付かない振りをしていただけで、この町は壊れてた。きっともっと最初から。まともな人は一人だって、見当たらなかった。物語の終わりまで"正常"を探し続けた私の末路を見届けて。容赦のない負の感情。ただそれだけが、此処にはあった。嗚呼もう最悪、サイアクだ──皆、大嫌い。皆、最低。でも会いたくないとは思えない。分かっている。他ならぬ貴方達に、私の負の感情すらも捉えられ、離してもらえずにいるからだって事も、疾うに。2018/01/18
milk tea
89
町に負のものやあってはならないことがあってはいけない。この町では、そういう時、悪いものは全て余所者がターゲットとなってしまう。どこまでも続く苦しさ。 殺人を犯すのは決して許されることではないけれど、塾講師の梅宮が最悪かな。 田舎ぐらしに憧れはあったりするけれど、誰もが温かく迎えてくれるわけではないことを心の隅に刻んでおこうと思います。2021/12/23




