内容説明
心根を惑わす美術品をめぐり、人間の業と欲は深く哀しい。まっとうに、健気に、ひたむきに、もがく京の人々。生きる力が湧いてくる、珠玉の短編集。
著者等紹介
澤田ふじ子[サワダフジコ]
1946年愛知県生まれ。’75年『石女』で小説現代新人賞、’82年『陸奥甲胄記』「寂野」で吉川英治文学新人賞、’04年に京都府文化賞功労賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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美月0217
24
京都の方の短編の話。読み進みにくい話もあったりもしたけど、どれも、悪いことしたらそれなりの報いがあったり、善い行いをしていたら、良い方向に行くという話…因果な茶杓、四年目の壺、がこの中ではよかった。2015/03/15
空猫
22
図書館リサイクル本で初読み作家サン。京都市井図絵シリーズの4作目だった。一話完結の短編集なので支障はないか。人の欲や業が渦巻く人間ドラマをどこか冷めた目で淡々と描いてある。短編のせいか深みをあまり感じず、庶民の生活なのに百両、千両と言った大金が絡む話ばかりなのが気になるところ。お気に入りは『四年目の壺』。 2024/07/19
007
20
★★★★☆ 京都が舞台、茶道具や書画など美術品に絡んだ6短編。ベテランの味で数寄者と庶民の落差が対照的だった。何万両の値がつく骨董品も、価値がわからぬ者にはただのガラクタ。「あ~っ、モッタイナイ!」と声が出そうになった。未だどこかの地中にスゴイお宝が眠っているのかしら?そういうことを考えるとワクワクします。2014/06/06
さと
18
月明かりに浮かぶ銀閣 脇に鎮座する向月台、それを照らす月 静謐な趣のジャケットに惹かれての初読み。京の市井を舞台に繰り広げられる、生きる姿が清々しい。稀代の名品の前に焙り出される人の欲、手にしたものへの執着が向かう先は現代も変わらない。それを粋に喜捨する心、利他に生きる心が物に命を与えるのだろう。手にする物に恥じない人でありたいと今更ながらに思う。2014/07/10
shiozy
8
初読の作家さん。七編の短編集はどれも会話文主体で読みやすい。時代小説にありがちな人情噺に落とすのかとおもえば、しかあらず。全体的に抑制された文体で、京言葉で展開される美術工芸の世界は、一方でそれと無縁な市井の人々の生き様を照らし出す。読友さんのおすすめ本。2014/06/16




