内容説明
乾いている人、求めている人、愛している人、憎んでいる人、何も考えたくない人。彼らの日々にそっと加えられる一匹の猫。猫も、愛も、幸せも、閉じ込められない。短編の名手が紡ぐ魅惑の九編を収録。
著者等紹介
井上荒野[イノウエアレノ]
1961年東京生まれ。’89年「わたしのヌレエフ」で第1回フェミナ賞を受賞。2004年『潤一』で第11回島清恋愛文学賞、’08年『切羽へ』で第139回直木賞、’11年『そこへ行くな』で第6回中央公論文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
藤枝梅安
101
タイトルに猫を冠した9つの短編。ほのぼの系と思いきや、気まぐれ、身勝手、優柔不断、疑心暗鬼に責任転嫁。人間の弱い部分やずるい部分が冷徹かつやや距離を置いて描かれている。ぶれないのは猫だけで、周りの人間の都合で環境を変えられる。欲深き人間の愚かな姿を猫たちはこんな風に見ているのかもしれない。すっきりしない読後感だが、それが作者の意図するところならば、読者は素直にそれに従うのみ。2015/12/01
美登利
99
まさに荒野さんらしい短編集。猫好きで猫がたくさん出てくる癒やし系の話かな?と期待してる人には肩透かしだと思います。荒野さんが猫を飼っていて、その生態をよく知ってるからこそ、少ししか登場人物に関わらなくても彼女らの人生に猫はスパイスとして必要だった...そんな話。どれもちょっぴり切ない。2018/09/09
風里
53
装丁の猫の背中に惹かれて。 猫の話というよりも人の話にスパイスとして猫が登場する短編集。 人も猫も、それぞれ背負っている。2012/11/09
くりきんとん99
52
猫が登場する短編集。猫が主役という訳ではない。猫はあくまでも猫として、それぞれの物語の主人公の横を通り過ぎていくという感じ。何とも井上さんらしい短編集。2012/10/08
あかは
48
猫と猫に関わる人たちの短編集。なんかどこか重苦しい話が続いて気分が沈むが、悲しいわけではない。猫を題材に関わった人の事情がよく書かれている。特に「自分の猫」は胸が締め付けられる思いがした。2015/06/10




