内容説明
五代将軍・綱吉の世。並外れた薬物の知識と調合の技術を持ち、性にまつわる秘薬・秘具を商う情ノ字は、人を信じない。心を許し合うのは愛犬・鞆絵のみ。しかし、夜鷹のおしゅんには、違った。惹かれた。女に厭きれば捨て、まとわりつけば殺す。毒を盛るなどお手の物。そんな人生を送ってきた情ノ字だが、おしゅん、鞆絵との生活は彼を変えてゆく。一方、身分問わず、性や生きることの気鬱から逃れたい人々は情ノ字の処置を望み…。苛酷な運命に挿入される目映い「まことの情」。充実の時代小説。
著者等紹介
花村萬月[ハナムラマンゲツ]
1955年東京生まれ。’89年『ゴッド・ブレイス物語』で第2回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。’98年『皆月』で第19回吉川英治文学新人賞。同年、『ゲルマニウムの夜』で第119回芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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むつこ
14
花村さんは初読み、時代モノということで挑戦。性のよろずを請け負う主人公が犬以外の女性を初めて愛して少しずつ変わっていく連続短編集。エロ描写と漢字・意味が理解できないことが多かったが情ノ字と同じでそこはサラーっと流した方がいいのかな?と考えないようにした。それにしても性の仕事は男も女も辛そう。そういう人生でなくてよかった。続編ができるといいな。2014/11/19
Koning
9
現代に置き換えたら途端に下品なポルノ小説になってしまう。それを下品にせず粋にしてるのは真っ当な江戸弁やもしれない。昨今まれに見るちゃんとした江戸弁ですよ。ま、夜鷹に蔭間に中条流ればとくれば、ご想像の通りという筋立てに、おしゅんと言う頭の弱い(けれど純粋な)夜鷹と鞆絵という犬がラストへの道しるべなのだけれど、これ以上はお読みなすってくださいと。非常に切ないし人倫に悖る部分も多々ありますが、なんだろうこの読後感は嫌じゃぁござんせんよ。花村萬月ってなんだかんだですげえねと(w2012/09/19
ophiuchi
7
この人の時代小説を読んだのは初めてだと思うが、題材も登場人物たちもいかにも花村萬月!続きが読みたい。2013/12/21
あすか
4
情ノ字の愛情は無限大か無の2択で極端過ぎる。 仕事のためなら男も女も抱くし抱かれるけど、それに関してはすべて「無」。 本当に狂ってると思った。 おしゅんは可哀想で可愛い子。 おしゅんは情ノ字に出会えて良かったし、情ノ字もおしゅんに出会えて本当に良かったと思う。2020/02/29
冬憑……(ふゆつき)
3
花村萬月氏の本を手に取る時は、おそらくストレスが溜まっている時であります。性と暴力と泥沼のような世界を欲し、あぁ普通に生きてて良かった、と自分を肯定するその時間が、ストレスを発散させるのでしょう。時としてそれは毒となり、癒しとなるそれをワタクシは求めてしまうのです。その点において本書は大変読みやすい。性描写はありますが、そこまでどぎつくないと思います。ただそれは他の花村萬月作品に比べてのお話。今も昔も色の世界は厳しく壮絶、裏を見る勇気が無いなら表だけ見る努力が必要。ハマってはなりませぬ。ゆびきりげんまん…2015/12/10




