内容説明
昭和38年、京都・祇園。東京から来た青年と可憐な舞妓の、初々しくも哀切な恋情を、四季のうつろいも美しく端正な文章で描いた、著者が二十年ぶりに贈る珠玉の恋愛小説。
著者等紹介
伊集院静[イジュウインシズカ]
1950年山口県生まれ。1981年に「皐月」でデビュー。1991年に『乳房』で第十二回吉川英治文学新人賞、1992年に『受け月』で第百七回直木賞、1994年に『機関車先生』で第七回柴田錬三郎賞、2002年に『ごろごろ』で第三十六回吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mike
78
美しく繊細な文から成る恋愛小説。舞台は昭和30年代後半の京都の祇園。行き交う舞妓や芸姑からの甘い香りが鼻腔を擽る。流れるような文章を読めば、情緒ある京都の街並みや自然、祭りの姿が脳裏に浮かび上がる。世間知らずであまりにも一途すぎる大学生と美しい舞妓の叶わぬ恋路が、京言葉で綴られる。時に柔らかで優しく、時に刃の様に心を抉る京言葉に惹かれる。初伊集院さんで、何でこの本を手に取ったのかよく分からないが、日本的でいい話を読んだなと感じた。2025/01/14
じいじ
76
伊集院さんの訃報で、予定を繰り上げて読了。物語は、最初の東京オリンピック開催の昭和39年の京都が舞台。東大生と祇園の舞妓の淡く熱烈な恋が描かれています。この年は、私が社会人になって志願の大阪転勤をした忘れることが出来ません。読みはじめは懐かしい京都の町の風景が甦り、上々の滑りだしです。でも、主人公二人への期待が大きすぎたのか、どうどん離れていきました。読むのが遅すぎたようです。伊集院さんの小説は『浅草のおんな』『白秋』など面白く存分に愉しませていただきました。感謝の念を込めて、ご冥福をお祈り申し上げます。2023/11/30
ぶんこ
56
表紙が小橋めぐみさんだったとは。彼女のエッセイから知って読んだのですが。昭和39年が舞台にしては雅彦さんが世間を知らなすぎです。まるで伊豆の踊子の時代。昭和初期の感じ。東大生と祇園の舞妓さんの純愛と思えれば良いのですが、どうしてもダメでした。世間知らずのボンボンが、大勢の人に迷惑をかけたとしか思えない。キヌさんの捨て身の善意を、一緒に駆け落ちをしようと持ちかけるところで、大ガッカリ。それは頬を叩かれて当然でしょう。雅彦さんや祐一さん目線ではなく、真祇乃さん目線でも読んでみたかったです。2016/03/30
まど
22
真祇乃はすごい悪女なのかちがうのかが気になる読後感。真祇乃の目線からの物語も読んでみたい。真祇乃には雅彦がどんな風にうつっていたのだろうか。2012/02/18
ロッキー
12
〈図書館本〉いい本に出会えた。ちょっと世間知らずな大学生雅彦と舞妓さん真祇乃との祇園を舞台にした純情ではかない恋。本来であるならば一見さんには敷居が高く恋愛は御法度な世界の中で2人は惹かれあい、そして困難な壁を飛び越えて出会いを重ねて行く様は美しい空間が出来上がっていて、かつ繊細で今にも壊れてしまいそうで先の展開が気になりドキドキハラハラした。伊集院静氏の本は初めてだったが美しい文章で、ただもう少し真祇乃側からの視点があるとよかったな。表紙の小橋めぐみさんも綺麗で真祇乃と重ねて読み進めることができた。2012/06/05




