男たちの船出

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  • サイズ B6判/ページ数 417p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784334912444
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報



伊東潤[イトウ ジュン]
著・文・その他

内容説明

命懸けで千石船造りに挑む船大工の父子!が、海は凄まじい力でその挑戦を打ち砕く!!男たちの船は海に勝てるのか!?感動必至―魂を込めた渾身の長編時代小説。

著者等紹介

伊東潤[イトウジュン]
1960年、神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学卒業。『黒南風の海―加藤清正「文禄・慶長の役」異聞』(PHP研究所)で「第1回本屋が選ぶ時代小説大賞」を『国を蹴った男』(講談社)で「第34回吉川英治文学新人賞」を、『巨鯨の海』(光文社)で「第4回山田風太郎賞」と「第1回高校生直木賞」を、『峠越え』(講談社)で「第20回中山義秀文学賞」を、『義烈千秋 天狗党西へ』(新潮社)で「第2回歴史時代作家クラブ賞(作品賞)」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

鉄之助

246
主役は「千石船」だった。表紙を開いた見返しに精密な船のイラスト、細かな部分名称が記入されている意味があったのだ。瀬戸内の海賊・塩飽(しわく)水軍の歴史や、江戸時代初期になぜ、千石船のような大型船が必要だったのかが、詳細かつ分かりやすく表現されている。時代小説に定評のある伊東潤ならでは、安心して読める。それにしても、差図(さしづ)、摺り合わせ、雛型など、現代でもよく使う言葉が、造船用語だったとは! 七百五十石船から、千石船への転換は全く別次元の技術。後の「造船大国ニッポン」への礎であったことがおもしろい。2021/10/03

starbro

163
伊東 潤は、新作中心に読んでいる作家です。江戸時代中期、千石船造りに命を賭けた船大工親子の物語、骨太の感動作でした。私は佐渡島にルーツがありますが、佐渡で千石船を造っていたとは知りませんでした。また『佐渡おけさ』が九州由来だったとは・・・10月は、本作で読了です。2018/10/31

yoshida

125
塩飽諸島の船大工達が日本の物流を変える為、千石船の建造に挑む。場所は国内屈指の海の難所である佐渡沖。海に敗れても再起する屈せざる者達。海で喪った肉親の為に立ち上がる船大工達。これは単に千石船の建造だけでなく、世代交代の物語でもある。老いによる焦燥。経験による固定観念を捨てる勇気。完成した千石船の製造を独占し利益を得るのではなく、広く製造法を伝え国内の物流を変革し経済発展を図る商人の心意気。苦難に逢いながらも、敗れて地にまみれても、立ち上がる人々の姿が胸を打つ。船の建造だけでなく様々な想いが詰められた力作。2019/05/05

のぶ

86
とても熱い男たちの物語だった。江戸時代初期の造船に命を懸けた人たちの話。主人公は瀬戸内海随一の船大工の嘉右衛門と、息子の弥八郎。嘉右衛門は造った大船が大時化で沈没。弟・市蔵や大勢の船子を失い、その後は千石船造りの依頼を断る。一方息子の弥八郎は佐渡へ渡り、千石船造りを目指す。まず、この時代にこれだけの造船技術があったことに驚いた。それに父と息子の愛憎が描かれていて、興味深く面白かった。伊東さんは史実をもとに小説を作る事が多いが、本作が完全なフィクションなのかは分からないが、読んで損のない一冊。2018/11/26

ゆみねこ

70
読み応えのある1冊でした。急増する江戸の人口、そこに大量の米を輸送するためには大型の船が必要になる。瀬戸内の塩飽諸島の船大工たちの命を掛けた千石船造り。川村七兵衛がキーマンに。荒れ狂う日本海を想像しながらの読書でした。お薦めです。2018/12/01

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