出版社内容情報
門井慶喜[カドイ ヨシノブ]
著・文・その他
内容説明
入隊しろ。新選組に。俺が局長に言ってやるよ、お前は、まかない専門にしようって。元治元(一八六四)年の京の大火、「どんどん焼け」で住んでいた長屋を焼かれた菅沼鉢四郎。妻子ともはぐれ、薩摩や会津の炊き出しの世話になる日々だ。ところが、会津の炊き出しが滅法まずい。思わず「まずい」と言った相手が新選組幹部・原田左之助だったことから、運命が変転をはじめる。果たして、鉢四郎ははぐれた妻子と再会できるのか―。新選組の知られざる内証を活き活きと描く、新直木賞作家の野心作。
著者等紹介
門井慶喜[カドイヨシノブ]
1971年、群馬県生まれ。同志社大学文学部卒。2003年、「キッドナッパーズ」で第42回オール讀物推理小説新人賞を受賞。2016年、『マジカル・ヒストリー・ツアー』で第69回日本推理作家協会賞を受賞。同年、第34回咲くやこの花賞を受賞。2018年、『銀河鉄道の父』で第158回直木三十五賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
229
そうだよね。新選組だって腹は減るのだ。妻子とはぐれ炊き出しの世話になる男・鉢四郎が新選組の炊き出しに「まずい」と言ったことから新選組の賄方に・・サクサク読んだ。掴みはOK!だったけれど、私の思ったような新選組の話ではなくて・・(見つけた妻子の現実にはショックだっただろうなぁ)でも最後まで読ませるのは門井さんな訳で・・原田左之助との出会いから京を離れるまで、鉢四郎からみた新選組でしたね。ラストの左之助の妻子との別れの場はちょっとうるっと来そうだったのに・・2018/09/11
ウッディ
165
駆け落ちして出てきた京都で、仕事がないため妻を働かせ、赤ん坊の離乳食を用意することで、料理の腕を上げた菅沼鉢四郎は、とあるきっかけで料理人として新選組に入隊する。剣の腕はからっきしで、度胸もないそんな主人公の目線から、豪傑ぞろいの新選組の幕末の活躍から衰退までを描いた時代小説。うだつの上がらない主人公が料理の腕と工夫により、侍の世界で活躍するという新選組版の信長のシェフのような話かと思ったが、最後まで目だった活躍もしない主人公で、話も盛り上がらなかった。切り口としては面白いのに、少し残念な一冊でした。2019/01/18
sayan
142
たまに読みたくなる料理が絡む小説。本書は、新撰組の料理番(賄方)となった主人公の視点で進む物語短編集。この手の小説が魅力的な点は、躍動する歴史を担う登場人物の「腹を満たす」三食の、あるいはイベント前後の料理の描写…。「与楽の飯(澤田瞳子)」的なストーリー展開を期待したが残念!次回以降を楽しみにしたいところ。タイトルにもなっている短編「新撰組の料理人」で描かれる握り飯のくだりは、食欲を刺激する。(パン派ではあるが)2018/10/29
ケイ
137
蛤御門の変により、京の町で焼き出された人々。彼らへの炊き出しを新選組が手伝ったことから、新選組に飯炊き当番の男が加わる。その男、鉢四郎の目を通して、新選組の幹部の1人、原田左之助という男が描かれる。「ぜんざい屋事件」など、凄みがあらわれることで滑稽さとの緩急がうまくでているあたりは良かったが、全体としてどこか物足りなさが残る。多くの人の命を奪わねばならない使命を自らの命をかけて全うしようとする男達の中において、鉢四郎と左之助の描かれ方に少々イラッとくるところがあった。2018/07/03
hiro
128
新選組を題材にした小説はたくさんあるが、題名『新選組の料理人』が示すように、新選組の隊員でありながら剣の腕前はからきしで、隊員の食事を作るの料理人が主人公というところがユニークな小説だ。主人公は鉢四郎は架空の人物であるが、御門の変のあと鉢四郎の入隊から解隊まで料理人がみた新選組というのがおもしろい。しかし、主人公よりも、実在の人物である近藤勇や十番組組頭の原田左之助、そして坂本竜馬に目が行ってしまう。やはり、新選組に関しては、架空の人物が実在の人物を抑えて、主人公になるのは難しいのかもしれない。2018/06/09




