内容説明
N市立文学館は財政難のため廃館が決定した。文学館に勤めていた老松郁太は、その延命のため、展示の中心的作家・徳丸敬生の晩年の謎を解こうと考える。30年前、作家は置き手紙を残して行方不明となっていたのだ…。謎解きの過程で郁太は、文学館の存続を懸けて「人はなぜ小説を読むのか」という大きな命題に挑むことに。はたして、主人公がたどり着いた結論とは!?
著者等紹介
門井慶喜[カドイヨシノブ]
1971年群馬県生まれ。同志社大学文学部卒。2003年、「キッドナッパーズ」で第42回オール讀物推理小説新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
やも
92
青年はある日、ふと入った古本屋で大好きで尊敬する作家・徳丸敬生のサイン入りの遺稿集に出会って思う。「なぜ遺稿集にサインが?」徳丸は自殺疑惑があるが、その身体はいまだ発見されてなく、青年は存命説を推す。作家と本との不思議な出会いに導かれ、青年は「人はなぜ小説を読むのか」の謎に迫る。幾度も出した答えの全てに、私も読書家として(それや!せやせや!)と膝叩きまくり。お互いを想うからこそ起きたお家騒動も可愛くて、徳丸敬生という作家さんが実在したみたいに感じた。これからを楽しみにしてるよ!と言いたくなるラストが👌2023/03/29
ちょこまーぶる
63
とても楽しく、考えさせられた一冊でした。市立文学館の閉館をきっかけに「人はなぜ小説を読むのか」という命題を考え、同時に作家の遺稿集に書かれているサインのミステリーでした。小説を読む理由って考えたことも無かったので、読みながら人それぞれにその時の状況によって生き方のヒントを得たり、孤独を力に変えていくきっかけだったり・・・のように違った意味があるんじゃないのかなぁ~と思いながら読んでいましたね。そして、ミステリーは納得のく謎解きで、読んでいて明かされる内容に「そうなんだぁ~」とつぶやきながらの読書でした。2026/02/13
三代目けんこと
50
登場人物の会話や行動に違和感が多く、少し読みにくいなぁ。期待していただけに残念…。2019/11/03
てつ
50
感想の書きにくいほんわかした小説。人はなぜ小説を読むのか、なんて答えさ出ないですよねぇ。2017/09/18
ユメ
43
閉館が決まったN市立文学館の職員・郁太は、存続をかけて二つの難題に挑む。ひとつは、展示の中心である作家が遺した「遺稿集のサイン本」というありえない本の謎解き。そしてもうひとつは「人はなぜ小説を読むのか」という議論。前者もビブリオミステリとして十二分に面白いが、食い入るように推移を見守ったのは後者だ。郁太が最終的に至った結論には膝を打った。小説を読むことには現実からの逃避という側面もある。しかし、その先で得るものは決して厭世観ではない。小説は孤独への片道切符ではなく、希望を抱いて現実に戻る往復切符なのだ。2018/11/23




