内容説明
平凡な街の地下鉄駅構内で通り魔事件が発生。事件はさまざまな人々に影響を及ぼす―。部活が休みになった男子中学生、作家に恋する女子高生、自称「モテ男」の家業手伝い、「元神童」の四十六歳独身男…。この街に住む六人の老若男女が自らの「居心地のわるい思い」を乗り越えるべく悩みながらも生きるさまを描いた感動作。『田村はまだか』の著者が新たに放つ衝撃!
著者等紹介
朝倉かすみ[アサクラカスミ]
1960年北海道生まれ。2003年、「コマドリさんのこと」で第三七回北海道新聞文学賞、’04年、「肝、焼ける」で第七二回小説現代新人賞受賞。’09年に『田村はまだか』で吉川英治文学新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
siro
51
連作短編。どの話の主人公も「自意識」に支配されぐるぐると悩んでます。心の中は見えないから他人もそうだと分からないけど、物語で読むと、そうだ誰でもぐるぐるしてるんだよ。ぐるぐるしても良いじゃないか!と安心する。解決してもしなくても自意識と葛藤する日々でいい。「お先にどうぞ、アルフォンス」の主婦に少し共感する所があって、その気持ちにまたぐるぐるしてしまう(笑)2016/07/25
S.Mori
26
身近なところで起こった通り魔事件が、普通の人々の心に起こす波紋を描いた小説です。立派な人は出てきません。そのためにかえってリアリティを感じました。常識的に考えたら、モテそうにない男がおれはモテると勘違いするところなどはかなり笑えます。喜劇的な小説ですが、最後の章で感動がこみ上げてきます。登場人物ののぶ子が「あたしはあたし以外の人にきっとなれない」と悟るところは感動的です。平凡な人間の人生を肯定する作者の優しさが心に沁みました。2020/09/30
ナチュラ
24
最近、好きになった作家さん 2冊目。 6話の連作短編集〜 舞台は札幌のとある街。 主人公は男子中学生だったり、女子高生だったり、主婦だったり、中年男性だったり さまざま。どこにでもいる普通の人たちの日常に、通り魔事件という非日常が少し(場合にょっては大きく)関わってくるのだが、それぞれの生活をサラリと描いている。このサラリとした中に人々の悩みや不安、喜びや希望などが凝縮されているところが実に巧い。 読後感はとても爽やかだった。2019/03/21
F
18
通り魔事件を核にして、しりとりのように続いていく連作短編集。それぞれ笑いあり、涙ありで味わい深い。どこか、なんとなく虚しい、微妙な諦念と小さな希望がある。この感覚は、今を生きる多くの人に共感を得られるものであろう。本作は、時代を活写する作品のひとつ、と言えるものではないだろうか。2013/09/02
みっつのフルーツ
11
自分が特別じゃないのはとっくに気づいてる。でも、「じぶんにとってじぶんは特別」って良い言葉だよね。納得です。2017/01/01




