内容説明
深夜営業の酒場、“人参倶楽部”。マスターの元には、それぞれに事情を抱えた客が夜ごと訪れる。不倫に疲れた女、すべてが冗談のような小説家、勤め帰りのホステス、来るはずのない女を待つ男…。人々はグラスを傾けながら、他愛のない言葉を交わし、人生を紡ぐ―。静謐な夜の帳で絡み合う、男と女の儚く哀しい恋愛模様を、透明な文体で描く連作短編。
著者等紹介
佐藤正午[サトウショウゴ]
1955年長崎県佐世保市生まれ。’83年『永遠の1/2』ですばる文学賞を受賞。2000年に刊行した『ジャンプ』はベストセラーとなり、「本の雑誌」ベスト1に選ばれる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ehirano1
69
標題作について。浮気性の夫の視点で語られる一方で、その妻の視点でも語られるスタイルは斬新的だと思いました。こういう夫婦仲もあるのだと思いましたが、私は嫌ですwww。2023/09/17
mr.lupin
47
深夜営業の酒場、『人参倶楽部』のマスターとそのお客たちの10編からなる連作短編集。全体的にゆったりとしたペースの話だったが今一つのめり込む事ができずに読了。もう少し大人のコジャレた話を期待していたが、残念ながら自分には合わなかった一冊。 ☆★★★★2019/09/24
ミスターテリ―(飛雲)
36
「人参倶楽部」は10個の短編で構成、マスターの独白(13579)の章(改めてこの章だけ再読すると2倍おもしろく、見事に単独の作品として完成している)それとおそらくマスターと関係があった女性のエピソード(2468)の章が、交互に語られる。そして最後(10)の章では、マスターの奥さんが登場するが、当然、彼女はそれまでの女性たちのエピソードはすべてがお見通しで、マスターが夜の生活を送っていても、いつもと同じように朝を迎え、夫の帰りを待っている・・いつもながら作者のストーリーの組み立てと文章のうまさには感心する。2025/10/30
Akihiro Nishio
22
学生時代貰った本。またしても不倫ものである。スナックのマスターがお客さんの話を聞いてるうちに、いつの間にか寝ちゃうという話の繰り返し。やっぱり水商売はもてるんだなあ。大して印象に残るエピソードはなし。今はテレビやネットでやたら不倫が叩かれるらしいから、小説は不倫業界では主戦場になる気がするな。自分も相当呑みにいく方だか、飲み屋で始まる恋愛や関係を経験したことがないんだが、行く飲み屋が悪いのか?2019/12/14
a子
19
昭和後期、夜の街の香り。心地よい熱量で語られる人間模様。失恋したりうまくいかない時って、自分を良いものとして扱ってくれる存在が必要だったりするよな。とまり木みたいないさむのもとで、女の子たちはいっとき休息し助けられて また彼女たちの日常に戻っていく。 すったもんだしながらの最終話でビシッと結んで終わるのも気持ち良し。解説もまた良し。2023/11/20




