内容説明
銀座にある「奥野画廊」に絵を持ち込んだ青年。売れるはずもない出来の絵だったが、なぜか、その絵に関心を持った画廊の主は、次々と青年の作品を買っていく…。美術界を舞台にした初期の作品である「青のある断層」のほか、著者自身の戦争体験をもとに作り上げた「赤いくじ」など、人間社会がかかえる闇と、人の持つ深き業に迫る名作、八編を収録した待望の第二巻。
著者等紹介
松本清張[マツモトセイチョウ]
1909年北九州市生まれ。給仕、印刷工などの職業を経て、朝日新聞西部本社に入社。懸賞小説に応募入選した「西郷札」が直木賞候補となり、’53年に「或る『小倉日記』伝」で、芥川賞を受賞。’58年に刊行された『点と線』は、推理小説界に「社会派」の新風を呼び、空前の松本清張ブームを招来した。ミステリーから、歴史時代小説、そして、古代史、近現代史の論考など、その旺盛な執筆活動は多岐にわたり、生涯を第一線の作家として送った。’92年に死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Aya Murakami
57
ブックオフオンライン購入。 青のある断層は上達したアーティストや漫画家さんの作品がつまらなくなるあるあるですね。そしてあとがきによると実話がヒントだったのですね。いつの時代も盗作はいけませんよ…。赤いくじはいわゆる慰安婦問題ですね。ちょうど他館図書館の慰安婦問題の本を取り寄せ中なのでタイムリーでした。胸糞悪い結末、全員米兵に蹂躙されればよかったのに…。2024/08/12
ソーダポップ
36
初期の松本清張作品には人物に着目した歴史短編が多い。この著書に登場する、大久保長安、松平忠輝、江藤新平といった人物たちの心理や境遇を通して、現代に相通じる人間社会の根源に迫っている。また、主人公の設定に、視点の位置に清張作品ならではのものがある。本書に収録されている「青のある断層」や自身の戦争体験をベースにした「赤いくじ」がそれである。人の持つ深き業に迫る名作品集でした。2022/07/03
KAZOO
18
初期のころはやはり歴史に関する短篇が多いと思いました。この中にも8編の短編があるのですが、半分が時代物です。松平忠輝の「面貌」、大久保長安の「山師」などはうまく書かれていて、今これだけを書ける作家がいるのかと思います。2014/09/05
とろとろ
17
松本清張短編集の第2集。巻末に本人の解説があって、嘘と本当の境目が判って面白い。著者は子供の頃から貧窮し、学歴もなく苦労して、ようやくその社会的地位を確立した。短編の時代は、作品が生活の糧にもなっていたようで、真に迫っているようである。2015/05/28
ランラン
10
松本清張は短編にこそその魅力が詰まっている。なぜなら読み終わったときの心にいつまでも残る印象が他では味わえないと感じるからです。2020/09/25




