感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
A.Sakurai
2
超有名な三角縁神獣鏡を主とした同笵鏡論・伝世論をきちんと読んでいなかったなと思い,関連論文をまとめた本書を読んでみた.最初は古墳の絶対年代の特定を目的にしていたのが,分析を進めるにつれ畿内政権の勢力伸長を跡付ける論拠に変わっていった.鏡は古墳時代の考古学研究の花形なので,常に新しい研究成果が出てくるが,いまでも昭和20年代のこの研究がひとつの基盤になっている.古墳時代全体について北九州の独自性や,前期・中期・後期の大きな変転も指摘していて,現在の古墳時代イメージと大きく変わらない.2025/12/28
の
2
近代考古学の基礎を作った小林行雄教授の神獣鏡研究書。コンピュータが無い時代に、全国各地に分布する一つ一つの鏡の特徴を比べ、模造品の変化の過程と元となる中国からの給賜品を見付けだし、布いてはそこから伝説の邪馬台国の勢力範囲や位置、朝鮮渡来民族による国家の統一を暴き出そうとする超巨大プロジェクトを、ほぼ一人でやってのけた。一つのツールに頼った一元的な研究方法から、様々な方法を駆使した多元的な近代考古学へと進化したのは、ひとえにこの教授の業績だといって差し支えないだろう。2011/07/15




