目次
ペレストロイカと国家の解体―本書の課題と構成
第1部 ペレストロイカの開始と展開(ペレストロイカの開始と初期の民族問題;バルト三国;中央アジア;ハイアスタン(あつめに)および)
第2部 ペレストロイカの急進化と政治的分極化(政治的急進化とその矛盾;ロシア共和国;ロシア共和国内の民族的自治地域)
第3部 八月改変からソ連の解体へ(八月政変;過渡期 一九九一年九‐一一月;ソ連国家の最期)
著者等紹介
塩川伸明[シオカワノブアキ]
東京大学名誉教授/1948年生まれ。東京大学教養学部卒業、同大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。東京大学社会科学研究所助手をへて、東京大学大学院法学政治学研究科教授。2013年定年退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BLACK無糖好き
22
ソ連国家の解体に行き着いたペレストロイカの過程を、連邦制および民族問題に力点をおきながら解明しようという試み。解体に至るまでの紆余曲折を連邦を構成する各共和国ごと、更には自治共和国、自治州のレベルまで掘り下げて詳細に著述している。改めて感じるのは、連邦解体の経緯からもその後の紛争を予測させる事象は色濃く見られること。ナゴルノ・カラバフ、南オセチア、クリミア及びウクライナ南東部。◆桁違いの分量なので、読み終えるのに一月近くを要した。なんとも言えない余韻に包まれる。ちょっと他では味わえない読後感。2023/07/04
鏡裕之
6
ロシア研究の第一人者、塩川伸明先生の大著。2400ページというボリュームが通読するには相当きついとか、枕本という言葉があるが分厚すぎて枕にもならないとあとがきで記されていて、先生ご自身も「分厚くなっちゃったなあ」という感じが強かったのだなあと微笑んでしまった。通読して感じたのは、ソ連崩壊の種はスターリンにばらまかれていたということだった。レーニンが生きていた1922年のソ連憲法では、連邦共和国には主権が認められている。だが、スターリンはそれを事実上一国の制度に変更してしまった。それが崩壊の基盤だった。2021/04/26
れいまん
1
東京大学出版会から3巻出されて全巻で41800円なので迷わず図書館で借りました 最初に読んだのは3巻目で2265ページ 今のロシアの軍事作戦の淵源を正しく知りたくて読み始めました。共産主義ですべてをまとめていたのが文字通り解体されていくのが痛々しい。エリツィンにはブルブリスというロシア利益第一のストーリー者がいるのに対し、ゴルバチョフは孤独な理想主義者で性善説者で最後は悲しい!2022/10/19