内容説明
政治もまた偉大な芸術であったルネサンスのイタリアにおいては、女性たちも大胆に、あるいは不可避的に権力と関わり、熾烈な生涯を生き抜かなければならなかった。エステ家のイザベッラ、ボルジア家のルクレツィア、スフォルツァ家とコルネール家のカテリーナ―四人の魅力的な女性を横糸に、権謀術数の時代を縦糸にして織りなされる華麗な歴史物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kawa
31
ルネサンスと言うと文芸興隆で平和平穏な時代イメージだったのだが、全くそうでは無くて戦国世だったと言うことにビックリ。日本でも乱世に並行して東山や桃山の文化が花開くのと同じ感覚なのかも知れない。登場する女性は、イザベッラ・デステ、ルクレッツイア・ボルジア、カテリーナ・スフォルツァ、カテリーナ・コルネール。いずれも馴染みなしの人物なのだが今後の塩野作品読みの肥やしになるかもですね。次は「チェザーレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷へ」の再読だ。2025/05/22
neimu
17
実は物凄く昔に読んだ。そして、やっぱり歴史が好きだと思った。旅行中、リアルにその時代を思い浮かべながら歩くのは、楽しかった。たくましく生きたいと思いながら、そうできなかった頃の思い出の一冊かもしれない。
黄色と橙
12
文化的栄華を極めつつも政治的には乱世の時代だったルネサンス期イタリアを生きた女性たちの物語。塩野七生の処女作。政略結婚に翻弄されたルクレツィアや、スカートを捲り上げて啖呵をきった女傑カテリーナ・スフォルツァは断片的には知っていたけれど、大きな歴史の中に再布置しつつも臨場感ある筆致で読者を引き込ませる巧さはこの頃から変わりません。地中海の覇者ヴェネツィア、島国キプロス、大国オスマントルコの狭間で翻弄されたカテリーナ・コルネールが印象的。ヴェネツィアの偽善や権謀術数を「芸術的に美しい」とするあたりが面白い。2012/08/10
Running Kez
4
ルネサンスと言うと華麗なイメージを持ちがちですが、その実は羊の皮を被った狼のような時代。生きざまの異なる4人の女性を著者は追います。戦わずして勝ち抜くイザベッラ・デステ。陰謀の道具となるルクレツィア・ボルジア。手負いの女豹カステリーナ・スフォルツァ。大国の陣取りゲームの駒カステリーナ・コルネール。歴史の影に隠れた彼女らを塩野七生さんがなぜ取りあげたのか、考えながら読みました。2023/11/01
yosa
4
塩野七生さんの文章って面白いですね。それにしても凄い時代。日本の戦国時代から忠義の文字を無くしたような世界で、陰謀が縦横に貼られて誰が敵やら味方やら。当事者としてはたまったものではないのでしょうが、物語としてはとても魅力的です。そこに生きた女性は強いですね。ねねや千代のような内助の功でなく、カテリーナ・スフォルツァやイザッベラ・デステのように自ら立ち上がってしまうとは。対照的なルクレツィア・ボルジアとカテリーナ・コルネールと合わせて描かれているのが興味深いです。2011/09/07




