出版社内容情報
戦時中、高学歴兵士たちはどれほど過酷な情況を体験したのか。手記や小説などの文献・記録を駆使して、リアルに浮かび上がらせる。
内容説明
戦前の日本で、旧制高校から帝国大学へと進む学生たちは、将来を約束されたひと握りのエリートであった。彼らはある時期まで、軍隊経験をもつ時でさえ、低学歴者にはない優位を与えられた。それが、第二次大戦もたけなわとなる頃から、彼らも過酷な軍隊生活を送らざるを得ない情況となる。本書は、最も「貧乏クジ」を引いた学徒兵世代の恨みと諦めの声を蒐集し、世代と階級を巡る問題を照射するものである。
目次
序章 わだつみが聞いた声―高学歴兵士は何を体験したか
第1章 月給取と腰掛OL―高学歴兵士はなぜ嫌われたか
第2章 エゴイストを撃て―高学歴兵士はどこでつまずいたか
第3章 帰ってきた学徒兵―高学歴兵士はいつ追悼されたか
第4章 エリートの作り方教えます―高学歴兵士はどう教育されたか
第5章 アプレゲールの高学歴兵士―山崎晃嗣という一例
著者等紹介
高田里惠子[タカダリエコ]
1958年(昭和33年)、神奈川県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程(ドイツ文学専攻)単位取得満期退学。現在、桃山学院大学経営学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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