さよなら渓谷

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  • サイズ B6判/ページ数 199p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784104628049
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

きっかけは隣家で起こった幼児殺人事件だった。その偶然が、どこにでもいそうな若夫婦が抱えるとてつもない秘密を暴き出す。取材に訪れた記者が探り当てた、15年前の“ある事件”。長い歳月を経て、“被害者”と“加害者”を結びつけた残酷すぎる真実とは―。

著者等紹介

吉田修一[ヨシダシュウイチ]
1968年9月14日、長崎県生まれ。法政大学経営学部卒。97年「最後の息子」で第84回文學界新人賞を受賞。同作が第117回芥川賞候補となる。2002年『パレード』で第15回山本周五郎賞、「パーク・ライフ」で第127回芥川賞を立て続けに受賞し、文壇の話題をさらう。2007年『悪人』で大佛次郎賞と毎日出版文化賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

扉のこちら側

196
初読。幼児殺人事件と、その取材のうちに明らかになってくる隣家の夫婦の秘密。かつての被害者と加害者が、幸せにならないように一緒に暮らすという設定、夏に消えた彼女が切ない。2013/05/28

風眠

164
お互いのすべてを受け入れることは、とてもとても難しいことなのに、レイプ事件の被害者と加害者が内縁関係でいるなんて、正直理解できない。けれど、知られてしまうくらいなら、はじめから事情を知っている人と一緒にいればいい、という、依存関係が成り立ってしまう心理も分からなくはない。人として踏みにじられる暴力、それがレイプ。そんな事件に巻き込まれた女は、たぶん誰しも、自分は幸せになってはいけないと思ってしまうだろう。加害者にしたことを忘れさせないために、自分が幸せにならないために、哀しいけれど、これもひとつの愛の形。2014/04/06

nonpono

99
体調は回復しているが、また考える一冊にいつのまにか引き摺り込まれていた。いつまでも過去は消えないものだろうか。今や検索よりも気の利いた質問さえすればAIが調べてくれるし、解説さえしてくれる。加害者の男と被害者の女が選んだ究極の選択とは。暴かれる過去の過ちとどこに行っても過去に脅かされる現実。帯より「どこまでも不幸になるために、私たちは一緒にいなくちゃいけない。」人の業が、ばきばきと響くような一冊だった。間違えのない人間なんていない。年を重ねるごとにごまかすのがうまくなるのか。底なし沼みたいな世界だった。2025/07/24

chimako

92
「内妻のかなこが証言した通りです」なぜ?何で違うって強く言わない?尾崎が留置所の中で一体何を思っているのかまるで想像がつかなかったのだが……〈生活〉を構築してはいけないと考えたのか。ささやかな普通の暮らしを自分自身の奥底が拒否したのか。かなこの疾走に「二人で幸せになってもいいじゃありませんか」と声を荒らげるのは記者の渡辺一人ではないはず。一筋縄ではいかない、他人には理解し難い愛情もある。人の不幸を自分の慰みものにするイヤな大人が多すぎる。尾崎の犯した罪は許せないが、それでも二人で幸せにになってもらいたい。2015/12/02

kyon

86
幼児殺人事件から始まり、え?ミステリー?と驚きました。するとその後は、ミステリー以上に考えさせられるストーリーに。最終的な所を読者に想像させる吉田修一さんらしい本。学生時代の出来事が、何年も何年も影響し続ける事があると言うことを若者たちに知って欲しいです。大学生の頃、ナンパしまくっていた男の子、居たけれど、大丈夫だったのかな?女の子を傷つけていなければ良いのだけれども。2016/05/05

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