内容説明
思いやりと優しさのあふれる、そんな家庭であってほしい―かなうことのない願いを、布製とゴム製、四体の人形たちに託して、その日その日の物語を飽かずつくり続けた、少女の日の「私」。月日は流れ、数えきれないきしみをくり返した挙句、年老いた父と母が離婚したとき、四十九年間の人生が白紙に戻されたような感覚のなかで、「私」は…。作者の新たなる境地、それぞれ色合いゆたかに、「私」自身を見つめた十三の短篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
20
自動車教習所に通っていた頃、路上教習で赤信号とわかっていて発信した。 その時、死にたいと突然思ったから。 この文で驚いたのですが、読み続けるうちに、作者には人生に対する前向きな気力が無いのではと感じました。 突発的な虚無感に囚われる事を繰り返しているような。 寝酒、喫煙。 入院中も繰り返しながら、周囲にばれていないと思いこんでいるところは、常習者らしいです。 臭いでバレてるよと、ツッコミたかったです。大好きなワンちゃんの為にも、禁煙が成功したことを祈りたいです。 2014/07/13
星落秋風五丈原
9
小説新潮連載中に読了。今でも私は、物語をつむぎ続けている。少女の日、叶わぬ願いを託した愛着も執着もあるあの人形達を捨ててしまった今でも。「母の草むしり」「父親の女ぐせ」「となりの患者」「女友だち」「人形を捨てる」「ひとり」「晩年」「犬たちの家」「三十三歳」「教師」「クルマのこと」「たばこのけむり」「静かな年」思いやりと優しさのあふれる、そんな家庭であってほしい。かなうことのない願いを、布製とゴム製、四体の人形たちに託して、その日その日の物語を飽かずつくり続けた、少女の日の「私」。2006/07/24
遠い日
2
エッセイかと思うほど、そぎ落とされた文章。そして、かつて藤堂さんがあちこちの本の中でふれてきたことが、この本にも再登場するのを確認してからは、ジャンルにとらわれないこの本の語り口に引き込まれた。藤堂さんがした、かつての恋愛、いくつかの作品で既に書いた父母のこと。特に彼女は、“父親”に対する持て余しぎみの嫌悪感をここでは身を切るような冷静さで書ききっている。自分をさらけ出す覚悟を、藤堂さんと向き合って聞かされているような気分になる。ともあれ、この本は、藤堂さんのジグソーパズルの完成という気がしてならない。2004/06/08
moka
0
<図書館>13篇からなる私小説・・なのかな。壮絶な生い立ち。波乱万丈とはまさにこのこと。人形を捨てることに抵抗がある。それは思い出も同じ。いい思い出も悪い思い出も。2017/01/16
すばるM45
0
群ようこや岸本葉子みたいに、自身のずっこけ話しを交えて、雑学としてプラスにでもなるならいいけどさ… プライドが高くて自分大好きの藤堂志津子ですから、ほぼ恋愛遍歴と自慢話!あなたの人生、知ったこっちゃないっす。(笑)2008/06/17




