内容説明
徳川家康の妻が、子を生んだ。今川義元の人質だった幼少のころに、家康は子種を絶たれており、生まれるはずのない子だった。しかも、妻は義元の情人だったことがある、という噂も囁かれている―家康のわが子への憎しみは、年月とともに大きく膨れあがり、遂には、見事な若武者に育った信康を自刃に追い込むのだが…。戦国の世に生きる、権力者たちの不安と苦悩を描く7編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
TheWho
18
「逆説の日本史」で異彩を誇る著者が、戦国時代に活躍した武将を主人公に苦悩と不安を赤裸々に描く短編戦国絵巻。今川義元の人質として苦難の日々を過ごす徳川家康の深謀と苦悩を描く表題を皮切りに、本能寺の変を起こした明智光秀の暗号密書、伊達政宗と秀吉の駆け引き、秀吉を翻弄する果心居士、片桐且元の苦悩、北政所の執念、家康の死の真相と7篇の歴史上のエピソードを扱ったミステリアスな物語。共に著者の荒唐無稽な歴史解釈と歴史ミステリーが交錯する面白い作品に仕上がっている。いずれも著者初期作品を堪能できる一冊です。2016/10/12
烟々羅
18
本棚から再読するミステリ作家時代の井沢元彦、その二.べつに7篇のうち2篇で、ことし流行の黒田官兵衛が秀吉と掛け合いするのを憶えていたから手に取ったわけではない。秀吉と家康、その周りに起きた七つの事件を時制順にまとめたもの。 初読のとき、「このまま時代小説作家になるのかな、ミステリファンとしては寂しいけれど、そういうものだよね」(新本格ムーヴメント到来以前)と思ったものです。まさか作家でなく歴史思想家のほうに行かれるとは想像だにできませんでした2014/04/16
m
4
歴史ミステリーの短編集。どの話も、実はこうだったかもしれないと思ってしまうほどの説得力。やはり家康は只者じゃない。2022/12/26
ホームズ
3
『暗鬼』『明智光秀の密書』『ひとよがたり』が面白かった。『暗鬼』は最後のオチが良かった(笑)『明智光秀の密書』はちょっとした暗号物で楽しめました(笑)『ひとよがたり』もダークな感じが好きです(笑)北政所も恨みつらみはあったでしょうね~(笑)2009/04/21
半兵衛
2
薦められて読む。僕は短編歴史ものの、何年ごろの話で主人公は誰、が分かるまでの短い時間をドキドキしながら楽しみたい人間なので目次は読まずにパス。表題作が一番のめり込みが大きかった。本書ではなぜ信康が、なぜ天ぷらか、の井沢版回答が得られます。ほかはボチボチかなぁ。2016/11/26




