内容説明
現代の民営化が進む戦争では、世界中の貧しい人々が集められ、基地や建設現場などの危険地帯に派遣され、労働者として働いている。こうした出稼ぎ労働者なしでは、もはや軍事的なオペレーションは、成立し得ないのだ。著者は自ら出稼ぎ労働者となり、イラク軍基地訓練施設に単独で潜入した。グローバル化世界における、世界の貧困を前提にした戦争ビジネス、その実態に迫った貴重なルポルタージュ。
目次
第1章 イラク戦場労働への道(イラク行き急募;クウェート就労ビザが必要? ほか)
第2章 戦場労働の心得(拘束の三年間;バグダッド空港・基地 ほか)
第3章 戦場の料理人(激戦地ディワニヤ;居住区の衛生管理 ほか)
第4章 戦火の中で(奴隷労働;銃を突きつけられる ほか)
第5章 戦場で働くということ(戦争は「安い命」で;戦争の民営化と戦場労働 ほか)
著者等紹介
安田純平[ヤスダジュンペイ]
1974年埼玉県出身。ジャーナリスト。一橋大学社会学部卒業。1997年より信濃毎日新聞記者として、北アルプスし尿処理問題や脳死肝移植などを担当。2003年よりフリー。2002年よりイラクを取材し、2004年の取材中に地元武装自警団に拘束される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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TATA
33
現場に行かなきゃ分からない。これがジャーナリストの基本なんだろうな。それ故リスク選好的となり、一般市民の感覚から乖離した行動となる。強い使命感を持ち、戦争のその場で見聞きしたものは生半可じゃない迫力があるのは確か。この意見に誰もが首肯できるわけじゃないけど、一読の価値はあります。高野秀行さんの著作に似た雰囲気もありますが、そこはさすがに元記者の方。真面目な描写がやっぱり多いな。2019/10/31
makimakimasa
8
著者の作品では唯一、人質ネタでない著書。想像以上にニュートラルな視点で細かい事柄まで取材していて、これぞフリージャーナリストといった成果にまとまっている。2007年2月にクウェートで就活を開始し、イラク・ディワニヤの基地建設現場で料理人の職を得て1年後に帰国。上司のインド人や同僚のネパール人、イラク人と共に、アメリカ人社長からの給料遅延や、シーア派民兵マフディ軍の爆撃に悩まされる日々。戦争の民営化について、ミクロの視点でリアルな現場の実態(人間関係、精神状態、生活環境)を提供してくれる貴重で骨太な体験記。2019/05/12
おらひらお
8
2010年初版。イラクにおける出稼ぎ労働者の実態を潜入レポートによって紹介した本です。所得の低い国々の人にとっては、リスクは高いがうまみも大きい職業として認識されていますが、中間搾取の連続であることも明らかになっています。ただ、日本のワーキングプアに戦場出稼ぎを勧めるところは(やや冗談的に執筆されていますが)、共感できないですね。ただ、アメリカの報道をそのまま信じるだけでは、実態は見えないことだけは確認できました。2012/12/18
朱音
7
「現場に行った人しかわからない」ことを「行ってない人にわかりやすく説明する」ことがきちんとできている良書。ルポのために潜入しているのに部下の給料を心配したりいかに無駄を省いて浮いた金を部下の給料に反映させるか、などついつい親身になってしまうところなどからお人柄がしのばれる。 話題になっている方で偏見も多いけれども一度は読むべき、読んでから批判すべきと思った。2018/11/15
Yoshika
5
臨場感溢れる内容だった。ここまでやれるジャーナリストがいるからこそ、私たちは戦争が何かを知ることができる。既にアメリカが始めた戦争に私たちの税金が費やされているのだから、せめて私たちは、その税金がどのように使われているのか、知るべきではなかろうか。そしてそれはジャーナリストの存在があって私たちは知ることができる。安田さんには活躍し続けてもらいたいのに、日本政府は安田さんからパスポート取り上げてる…無知であることは罪だ。私たちを無知にさせないで欲しい。2020/07/06
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