内容説明
作家・花村萬月が、日本人と沖縄人の共犯関係で出来上がった「癒しの島」幻想を徹底的に解体しながら、既存のイメージとはまったく違った沖縄の姿を克明に描き出す。日本人であることの加害者性を露悪的なまでに引き受けたその眼差しは、南の島を過剰に持ち上げたり、そこに逃避したりする日本人と、純朴な仮面を自ら進んで被ろうとする沖縄人に対しても、等しく冷淡であり、かつ挑発的である。二〇年以上にわたって沖縄取材を繰り広げてきた小説家による、もっとも苛烈で真摯な沖縄論。
目次
さあ、飛行機に乗ろう
ドリフト、ドリドリ、瀬長島
飯でも喰うか
悲しき人買い
宮良康正
必ず、行きなさい
ゆっくりしましょう
看板の左下には海星が
水死体倶楽部
波之上でアウトドア・ライフ
著者等紹介
花村萬月[ハナムラマンゲツ]
1955年東京生まれ。サレジオ中学卒。89年『ゴッド・ブレイス物語』で第二回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。98年『皆月』で第一九回吉川英治文学新人賞を受賞。同年、大長編『王国記』の序にあたる『ゲルマニウムの夜』で第一一九回芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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